セロー250にダウンフェンダーを取り付ける ホンダ純正を流用

部品・用品

敢えて大きな声で言わせていただきます。アップフェンダーって邪魔だと思いません? 私は嫌いだな~。フロントタイヤ周りのわずかな死角が気になるんです。前輪を通すところ、落とすところがちゃんと見えないじゃないですか。あんなに大きいフェンダーだと。というわけで、トライアル車用ダウンフェンダー付けました。雨の日の水しぶきも少なくなりますので普段使いでも良いですよ。

ダウンフェンダーを選ぶ

どのフェンダーを選択するのかに関しては全く迷いませんでした。前に乗っていた2代目セロー225にもダウンフェンダーを付けていたのですが、その時と全く同じ物を購入しました。取付部分の形状などを把握できていたことが購入の理由です。HONDAの昔のトライアル車、TLM220の物です。随分と古いので在庫があるかどうか心配でしたけど、ちゃんと売ってました。webikeの純正部品発注で購入しました。

型番は61100-KR8-750ZAですので興味のある方は是非。6,583円でした。

TLM用のフェンダーは236gでした。大きさの割に結構軽い印象です。

こちらはセローさんのアップフェンダー。430g。TLMのを持った後だと、重く感じます。

こちらはセローさんのダウンフェンダー144g。アップフェンダーと合わせて574g。今回作るステー次第では軽量化できそうです。

取付検討会議

セロー225にはフロントサスペンションのアウターチューブにネジが付いてなかったので、取付に苦労した覚えがありますが、セロー250にはダウンフェンダー用のネジがアウターチューブにありますので、ステーを自作すれば楽勝です。
それよりも意外だったのは、ヘッドライトが付いているカバーの下側がフロントフェンダーに固定されていたことです。アップフェンダーを外すと自動的にヘッドライトがぶらぶらに。既存のアップフェンダーを切り取って必要な部分のみを使うという手もありますが、ここは何かブラケットを自作する方向で考えます。
アルミの板を曲げて作ろうかとか考えてましたけど、最近手に入れた3Dプリンターで作ることとしました。強度が気になりますけどとりあえず製作してみます。

ステーとブラケットを設計する

最近買って良かったもの、ベスト3に入る3Dプリンター。技術の進歩ってスゴイです。こんな楽しいものが3万円前後で買えるなんて。といってもモデルが無いことには印刷できないので、早速設計です。立体の物を測定するのはなかなか難しいのですが、どうにかこうにか測りまして、3Dモデルを作成しました。

左側のフェンダーステーです。右側はこのモデルを反転して印刷します。気になるのはやはり強度ですかね。普通に走る分には何も問題ないでしょうけど、転倒したときとか、何か不意に変な力がかかるとヤバイかもです。今回はとりあえずPLAという樹脂で作りましたが、もう少し靱性があって衝撃に強い素材で作り直すかもしれません。

2021/07/28 追記
そのヤバイことが起きてしまいました。詳しくは下記のリンクからどうぞ。

こちらはヘッドライトカバーブラケットです。勝手に命名しちゃいました。ボトムブラケットと固定する四つの穴とヘッドライトカバーを固定する穴との距離の測定が間違ってたらヘッドライトの光軸がずれることになります。ネジ穴の穴間隔なら、もし間違っていたら入らないという現実で教えてくれますけど、こちらの穴は微妙にずれててもわかんないですよね。

製作

ANYCUBIC MEGA-Sという中華製激安3Dプリンターで印刷しました。安い割に評判良くて、実際使っても満足いくものです。上位機種のできあがりを知らないので満足してるだけかもしれませんが、今の私には十分です。

こんな感じで設計したものが実体としてできあがります。面白いです。
強度のことを考えれば、積層方向が間違ってますけど、寝かせた状態で印刷すると積層の段差で見栄えがあまりにも悪いので、やむなくこちらの方向で作ってます。

一層あたりの厚みが0.2mmなので見た目結構粗いです。
こちらの部品で印刷に5時間くらいかかります。

こちらは1個あたり3時間でした。
フェンダーをネジ止めする部分にはインサートナットを熱圧入しました。思ってたより強そうです。

積層痕が結構目立つのでいろいろやってみました。

自動車用のパテやプラサフなんかで表面をきれいにしようと努力しましたが、センスと根気がありませんでした。

積層してるのがまだわかりますよね。まあ、こんなもんでしょ。
色はHoltsのトヨタ車用ダークグリーンマイカでカラーNoは 6R4 です。ちょっと濃すぎました。
ねじ部に入れているカラーは元々の部品を使っています。

この150gを合わせると取り付けた部品の合計が、386gになります。取り外した部品の合計は、574gですので、188gの軽量化ですね。但し、ばね下重量で考えると242gの増量です。乗ってもわからんでしょうけど。

取付

取付はネジ止めするだけですので、特に説明は必要ないですかね。

タイヤとフェンダーの隙間が若干広すぎるような気もしますが、将来、IRCの TR-011 TOURIST を履かせるかもしれないので、きっとそのときはちょうど良くなるはず。ということにしておきましょう。

こちらの部品は一つ問題が発生しました。印刷するときの温度が200度くらいですので、常温まで下がると温度差による収縮が発生しているみたいで少し寸法が合わなくなっててネジが入りにくかったです。ヤスリで少し穴を広げています。フェンダーステーの方はネジが入りにくいことは無かったので、もしかすると設計時の測定ミスかもしれません。ただ、この部品の外周部で測定しても100mmあたり0.5mmほど設計より収縮しています。形状により収縮の度合いが違うのかもしれないですね。

邪魔な部分をどうするか

機能上あっても無くても関係なさそうなこの部分がなんかかっこ悪いです。切り落としてしまいたいところですが、万が一、元に戻さなくてはならないとき(どんなときだ)にパーツを購入する必要があるので悩み中です。
また、ここを切り落とすとフォークブーツの上側の穴から雨が入りやすくなりそうなのも気になります。

2021/07/29 追記
切り落としました。詳しくは次のリンクからどうぞ。

あとがき

ひとっ走りしてきました。スタンディングで走るとき、タイヤ周りの死角が無くなって大満足です。やはりこれですよ。
ルックスはどうでしょう? 賛否ありそうですね。

私は気に入ってますよ。黒い羽根以外は。
フォークブーツが黄色とかの色だったらフロント周りが少し賑やかになって良さそうな気がしてきました。探してみよっと。

では、今日はここまで。バイバイ。

2021/07/29 追記
フォークブーツ、黄色くしました。詳しくはこちらから。

2023/10/17 追記
製作したモデルのSTLファイルを公開します。
3Dプリンターをお持ちの方からプリントデータの提供希望がありましたので、ヘッドライトカバーブラケットとフェンダーステーのSTLファイルをダウンロード出来るようにしました。欲しい方は自由に持って行ってください。ただし、合う合わない、すぐに壊れた、等の話は受け付けませんのでご了承ください。また、不具合等を修正しましたので、この記事で作成したものとは仕様が違っています。
zipファイルに圧縮しています。

中身は次の3つです。

  • HeadLight-Bracket-v1.stl
    この記事で紹介したヘッドライトカバーブラケットからrimo-workshopのロゴを省いてボトムブラケットに取り付ける穴4つの位置ズレを見直したものです。
    取付の際に、元々アップフェンダーに付いていた段付きのカラー(ワッシャー)を使うのですが、それの細い部分の長さより、ヘッドライトカバーブラケットのカラー挿入部分の厚みが厚いので取付ボルトを規定トルクで締め付けると印刷物が潰されて破壊される可能性があります。私は現在このバージョンを使用していますが、潰れる寸前のギリギリのトルクでの締め付けで、緩むことも壊れることもなく利用できています。
  • HeadLight-Bracket-v2.stl
    HeadLight-Bracket-v1.stl が壊れた時用に設計したものでカラー挿入部分の厚みをカラーの細い部分の長さに合わせていますので規定トルクで締め付けても圧縮の力はカラーが受け止めてくれます。また、ブラケット外周にリブを立てて強度を増しています。
    現在利用中のブラケットが壊れないので、実際に印刷して使った事実は存在しません。従って本当に合うかどうかは印刷してみないと分からないです。6つの穴の位置関係等は全く同じですので合うとは思うのですが。
  • fender-stay-v2.stl
    ダウンフェンダーを取り付けるためのフェンダーステーです。この記事で紹介したものより、強度を上げています。ただ、このバージョンをポリカーボネート素材(PCにしては適応印刷温度が低いので本物のPCではないかも)で印刷したものが、林道で転倒したときに破壊しました。片側のみで、かつ完全に破断はしなかったので、普通に走って帰れはしました。通常の利用では問題ないと思います。靱性の高い材料を使った方が良いかもしれません。また、内壁、外壁、インフィル密度などを変更して強度を上げた方が良いと思います。
    熱圧入しているインサートナットウルトラサートⅣのHUD-4000シリーズのHUD-46095(M6、全長9.5mm)です。

コメント

  1. いたば せいいち より:

    初めまして、3Dプリンターでの「ヘッドライトカバーブラケット」の作成、感動しました。
    当方もセロー250をローダウンフェンダー化しようと情報を集めていてここにたどり着きました。純正フェンダーを切って、この部分だけ使用しようかとも考えていたところです。
    当方、3DプリンターはありますのでSTLファイルを提供頂けないものかと書き込みさせて頂きました。提供条件等連絡頂ければ幸いです。

    • rimo rimo より:

      いたば 様
      コメントありがとうございます。
      STLファイル提供ですが、このページに追記としてダウンロードリンクを作成したいと思います。
      ただ、随分と前のことですので、ファイルが残っているかとか、残っていてもどのバージョンなのかとか、色々ありそうなので少々お待たせするかもしれません。
      準備できましたら、メールの方にでも連絡いたしますので、今しばらくお待ちください。

  2. 高山 より:

    Rimo様

    早急なご返信ありがとうございます高山です。
    Rimo様のご苦労を極力抑えたいと思いますので、私の希望としては
    ダウンフェンダーステーとヘッドライトブラケットの購入を希望しており
    下地処理と塗装は無しでインサートナットの挿入だけはお願いしたいと考えております。
    もちろん私の勝手な希望ですので耐久性等に関してのクレーム等は一切致しません。
    誠に勝手ではございますが宜しくお願い致します。

    • rimo rimo より:

      高山 様

      返信ありがとうございます。
      販売の件、了解いたしました。今後の詳細打ち合わせにつきましては、こちらからメールをいたしますので、よろしくお願いいたします。
      ただ、明日より16日の日曜日まで、私用で自宅を離れます。連絡が付き難い状況となるかも知れませんのでご了承ください。
      では、一旦失礼いたします。

  3. 高山 より:

    始めまして高山と申します。
    セローを乗っておりましてダウンフェンダーにしたく色々なサイトを
    見ていたところこちらのホームページと出会いました。
    突然で無礼なご質問で大変申し訳ございませんが3Dプリンターで作成されたブラケットを
    販売して頂けないかと思いコメントさせて頂きました。
    ご検討の程宜しくお願い致します。

    • rimo rimo より:

      高山 様

      コメントありがとうございます。
      また、当ウェブサイトに興味を持っていただき感謝いたします。
      管理者のRimoと申します。

      このコメントをオープンにして良いのかどうか悩みましたが、他にも興味を持っていただける方がいらっしゃれば参考になるのかなと思いオープンといたしました。高山様、意に反した公開でしたらどうかお許しください。

      さて、ダウンフェンダーステーの販売についてですが、製作のどの段階での販売をご希望でしょうか?と申しますのも、下地処理とか塗装とかは大変手間がかかりますので、正直難しいかと思います。また、構造計算等全くしておりませんので、長期的な耐久性について全く未知のものとなります。突然、疲労破断しても不思議ではありません。このあたりをご理解ご了承いただけるようでしたら販売は可能でございます。
      インサートナットの挿入の有無とか、ヘッドライトのブラケットが必要かどうかも含めてご返信をお願いします。

      では、失礼いたします。

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