【セロー250】エンジン不調でイリジウムプラグに交換【復調なるか 寿命は変わらず】

部品・用品

走行距離3,500km辺りから原因不明の失火っぽい症状が出ているため、とりあえずプラグを交換してみました。交換したプラグはNGKのイリジウムIXプラグで、交換時の走行距離は約4,700kmです。

症状

時折ではありますが一瞬エンジンが息継ぎをします。タイミングはシフトアップ後にアクセルを開いた瞬間です。2速または3速へのアップ時に発生します。一瞬失火しているような感じで、完全にエンストする訳では無く、直ぐに何事も無かったかのように調子よく回り続けます。直進での加速時であればまぁ許せるのですが、Uターン時等に発生するとバランス崩しそうになってちょっと困ります。頻度はごく希で1日(200kmくらい)走って多くて2,3回程度、全く発生しないときもあります。令和4年6月のリコール (ヤマハのサイト)の時に出ていた症状とは明らかにエンストのタイミングが違います。

交換したプラグ

購入したのは、NGKのイリジウムIXプラグ (NGKのサイト) で品番はDR8EIX。本当はmotoDX や プレミアムRX といったプラグを使ってみたかったのですが、サイズや熱価的に適応したものが無かったのでこちらを選択しました。

熱価は8、各部のサイズは以下の通りです。

中心電極がイリジウム合金製で細くすることが出来るので着火性が良いらしいです。ただし、外側電極の素材が通常のものと変わりがなく、その電極が損耗するので、プラグ交換の目安は、3,000kmから5,000km (NGKのサイト) となっており、通常プラグと同等です。

プラグ交換の目安について、サービスマニュアルでは具体的な距離での指示は無く、点検で損耗などが見受けられた場合に交換となっています。後で外したプラグの外観を観察しますが、5,000km弱での交換は必要とは思えませんでした。

なお、プラグの熱価は2018年モデルのセローから “8” に変更になっています。それ以前は “7” ですのでご注意ください。

プラグ取外しと焼け具合観察

では、取り外してプラグの状態を見てみます。
プラグを緩めたときに燃焼室にごみが入らないよう、まず掃除をします。

エアガンで吹き飛ばしてみましたが、こびり付いた何かが取れなかったため、ウエスで拭き取っています。プラグ取付の座面がよく見えるこのエンジンは気楽にプラグ交換が出来るので良いですね。

プラグの六角二面幅が18mmですので、それにあったプラグレンチを用意するか、車載のプラグレンチで取り外すことになります。今回は出先で車載工具のみで交換できるか試したかったので、すべて車載工具で外しました。

車載のプラグレンチをスピンナーハンドルまたはトルクレンチで使う場合は、19mmのソケットを間に挟みます。

余談ですが、プラグの外観の汚れが酷い場合は、プラグレンチで緩めるときに六角部分などに付着している汚れが、緩めるときの接触で剥がれて落ちる可能性がありますので、僅かに緩んだ状態で一旦プラグレンチを取り外し、ごみの有無を再度確認した方が良いかもしれません。

さて、外したプラグの状態です。
特に問題無しに見えます。これは交換しても改善されなさそうな嫌な予感がします。

プラグギャップも0.65mmで問題なしでした。

プラグ取付

取付前にプラグギャップを確認しておきました。測定値は0.75mmです。既定値が0.6mmから0.7mmなので僅かに広めですが問題ないでしょう。

では、取り付けていきます。まず、取付面に異物がない事を確認します。続いて手回しでプラグのガスケットが取付面に当たるまでねじ込みます。
ここからプラグレンチで規定量締め込んでいくのですが、締付トルクの管理はトルクレンチで行う方法と回転角で行う方法があります。
新品時の回転角はプラグの外装に印刷してあります。DR8EIXはネジ直径が12mmですので、ガスケットが座面に接触してから1/2回転です。

NGK指定のトルク値と再締付時の回転角はNGKのサイトに掲載されています。また、サービスマニュアルにはヤマハ指定のトルク値が書いてあります。それぞれの値は次の通りです。

  • 新品の場合の回転角:1/2回転(180°)
  • 再締付時の回転角:1/12回転(30°)
  • NGK指定の締付トルク:15~20N・m
  • ヤマハ指定の締付トルク:18N・m

トルクレンチがない場合は回転角で管理することになりますが、トルクと回転角の間にどんな関係があるのか知りたくて、15N・m と 18N・mで締め付けたときの回転角をチェックしてみましたので、参考にしてみてください。

次の写真は15N・mで締め付けたときの状態です。黒いマジックでプラグの六角部に合いマークを記して回転角を確認しています。締付座にガスケットが当たったところが写真の左上あたりで、実際に15N・mで締め付けた状態が写真の合いマークの位置、1/2回転させた場合には右下に合いマークが来ます。15N・mでは指定回転角に足りないみたいです。

続いて、18N・mで締めたときの様子です。180°の位置に近づいています。20N・mでの位置も確かめようかと一瞬思いましたが、何となく180°の位置近辺に合いそうなので、ヤマハ指定の18N・mで実験終了とします。

ということで、既定回転角である1/2回転回すとヤマハのトルク値を少しオーバーするけどNGK指定の最大トルク値とほぼ一致かな?という結果でした。

なお、NGKのサイトにプラグの正しい取り付け方というコンテンツがあり、トルクについてやネジ部に焼付防止剤を塗った場合の注意点などが書かれていますので、御一読をお薦めします。

電極の向き

さて続いては、気になる人は避けて通れない燃焼室内でプラグの外側電極がどちらを向いているのかという問題です。あまり気にしても意味ないんじゃないとの声も聞こえますが、マツダのSKYACTIV-Xのエンジンは電極の向きを厳密に指定していることを最近知り、まんざら影響が無いわけでもないんじゃないかと思っております。がしかし、SKYACTIV-Xほど神経質な燃焼を行っているわけでもないでしょうし、そもそもどの位置が最適なのかも分からないのでは?との意見もその通りと思ってしまいます。
てなわけで、今回は電極の位置を任意の位置に調整することはしないで、どの方向に向いているのかの確認のみにとどめています。実は先ほどトルクの説明でマーキングした合いマークが外側電極の解放側を示しています。セローの吸排気バルブとプラグの位置関係からすると外側電極解放側が燃焼室中心方向に向いているのが理想的なのかなと思います。今回のプラグは120°くらいズレていたのでちょっとハズレだったでしょうか。

ちなみに交換前のプラグは次の写真の合いマークの位置が外側電極解放側でした。結構良い位置にあったみたいです。

交換の効果

さてさて、一番問題のエンジン不調は直ったのか?ですが、交換後130km程度走った段階では症状がでていません。この距離でははっきりしたことは言えませんので、経過観察とします。また、エンジンのフィーリングに変化を感じることはありませんでした。燃費についてはこれから検証です。
130km走行後のプラグの状態が次の写真です。悪くはないですよね。

あとがき

さて、これで直っててくれればありがたいのですが、きっと残念な結果なんだろうなと思っています。これからの変化はこちらに追記していくと思います。

ではまた。

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