【エブリイ】バックドアを内側から開ける / ハンドル設計・製作編【DA17V】

every 部品・用品

エブリイJOINターボのバックドアを内側から開けるための改造をしてみる第3回目は途中経過報告とアクチュエータを固定するにあたって考慮しなければならないことなどの設計にまつわる話です。
第一回目 【エブリイ】バックドアを内側から開ける / どんな方法があるのか調査編【DA17V】
第二回目 【エブリイ】バックドアを内側から開ける / 部品調達&配置検討編【DA17V】
の続編ですので、読まれてない方は是非。

現在の設計状況

前回までに、ドアハンドルが引いていたワイヤーをアクチュエータで引く方法で進めることは決定しました。アクチュエータやスイッチが手元に届いてきたので、具体的に設計や試作が進んでいます。この記事を書いている現段階での設計上の外観です。

バックドアハンドル外側です。製作の都合上4ピースでの設計です。電動ラッチのスイッチはハンドル奥に装着です。
バックドアハンドルの内側です。棒状の部品にアクチュエータを取り付けます。
外周部の溝はOリング用です。
インナーハンドルです。電動ラッチのスイッチはハンドル裏側に装着して荷物などが当たり難くしています。
この設計では4ピースで製作になっています。足に開いている穴は、車両に取り付ける用が二カ所、
足とハンドルを固定する用が二カ所、残り一つは電線を通す用です。

試行錯誤はありましたがそろそろ完成形に近づいています。

インナーワイヤーとアクチュエータの接続

アクチュエータが手元に届くまでは、ワイヤーとの接続をどうするのかをいろいろ思案していたのですが、現物を見ると答えは簡単でした。ワイヤー終端のL型金具の外径とアクチュエータの可動部先端の穴径が偶然にもほぼ同一でした。

実際にはノギスで測定しても誤差が分からないくらい微妙な差で穴が小さかったので、5mmのドリルを使って拡大しています。僅かですので手で回す程度の力で拡大出来ました。その結果、きつめの良い感じのはめ合いになったのですが、外れない保証もありませんので、抜け止めを製作予定です。

アウターワイヤーの固定

アウターワイヤーの先端の形状はこのようになっています。

溝幅は2mm。

純正のハンドルでは溝の部分を使って固定してありました。

ワイヤーの固定は差し込むだけ。

3Dプリンターで作る場合、同じ構造だと強度的に不安があったので引く力は先端のテーパー部で受けて、抜け防止のために溝を使う構造としました。

アクチュエータステー本体側のアウターワイヤー用溝形状。
試作品で形状が合っているのか確認。

アクチュエータの動作

購入したアクチュエータが手元に届くまで不明だったことがあります。それは非通電時に可動部分はどこかの位置に固定されるのか、それとも全く固定されずフリーなのかということです。分かっていたのは、商品ページに仕様として「作業ストローク:18mm±1mm」と書いてあったことのみです。

通電時の動作

通電するとストロークの縮み側、伸び側どちらかの終端まで動作します。配線の極性を変えると反対方向の終端まで動作します。この両終端間の移動距離が約20mmほどありました。スケールによる目測ですので正確ではありません。

非通電時の動作

それでは非通電時にはどうなるのかですが、手で押したり引いたりする場合、通電時の移動距離に比べ両終端に1mm程度の移動不可の部分が発生しているようで、その分通電時より短くなって18mm程度のストロークでした。この範囲内ではある程度の抵抗がありますが自由に動きます。ですので、例えばストロークのちょうど中間で止まっている状況で通電させたときのストロークは10mmということになります。
続いて、通電を切った瞬間にどうなるのかの話ですが、通電時の終端の位置から、通電時のストロークと非通電時のストロークの差分の1mmだけ元に戻ります。実際には結構な力と早さで戻されますので、何も抵抗しなければその慣性でストロークの半分位まで戻ります。何か力を加えていれば1mmだけ戻ったところで止まったままです。この状況でもう一度通電させるとストロークは1mmとなります。

通電時の動作位置(上と下)と非通電時の手動での可動範囲(中二つ)。

これが何を意味するのかというと、ワイヤーに何かしらの戻る方向の力が加わっていないと、元の位置に戻らない可能性があるということです。純正のハンドルではハンドル自体を元に戻すために結構強めのスプリングがあり、ワイヤーもこのスプリングの力で元の位置に戻っていました。今回はそのハンドルを外してしまっているため、残っているのはロックアクチュエータ部分での反力のみですが、残念ながらほぼゼロです。

ロックアクチュエータのワイヤー接続部。
ワイヤーが左に戻っていないと、ロック、アンロックの操作に支障が出そうです。

通電を切った時の慣性でどの程度戻るのかはまだ試してないのでどうなるか分かりません。ワイヤー内部の摺動抵抗しだいではスプリングなどによってワイヤーに戻る力を加える必要があるかもしれません。

2022/04/15 追記
ロックアクチュエータにワイヤーを戻す力がほぼゼロと書きましたが、実際にワイヤーが戻るかどうかを試してみました結果、少し修正です。
戻す力がゼロなのはバックドアをロックしている状態の時のみで、アンロックの状態では戻す力が十分に働くようです。アンロック状態での動作では問題なくワイヤーは戻りました。ただ、ロック状態でバックドアを開ける動作をさせることは十分にあり得ます。この場合ワイヤーは戻りませんでしたので、やはり何らかの対策が必要と思われます。

アクチュエータとアウターワイヤーの位置関係

アクチュエータのストロークが20mmで、ワイヤーの引き量が13mmですので、アクチュエータとアウターワイヤーの固定位置をうまく調整しないと引き過ぎが生じてしまいます。このアクチュエータは3kg程度の力を発生するようですので、ロックアクチュエータ側のワイヤー周りに無理な力が働きそうです。理想を言えばアジャスターでアウターワイヤーの位置を調整できると良いのですが、今のところ試作を繰り返して理想の位置を見つけ固定しようとしています。もしかすると調整式に構造変更するかもしれません。

干渉部分の鉄板が結構薄いので、無理な力をかけたくありません。

インナーハンドルの固定

インナーハンドルを何処に固定するのかも結構悩みましたが、ボディにあまり穴を開けたく無かったので内張固定のクリップ穴を利用することとしました。上部中央の二カ所です。この二カ所の穴はリヤワイパモーターを取り付けている金具に開いています。穴内径は7mmです。

取付部の鉄板の厚さは1.5mmです。ボディの鉄板より厚めですが、
開断面なので強度が少し心配です。

この穴にナットリベット(ブラインドナット)を装着する予定です。M5用のナットリベットの外径がピッタリサイズです。

適応板厚は0.5mm~3.0mmです。板厚によりかしめ代が変化します。

アマゾンにて購入です。有名メーカー品から格安セット品まで色々揃ってますが、こちらを購入しました。

選択理由は、埋め込み部の外径が6.8mmで下穴径が7mmとなっていること、滑り止め加工がしてあること、適度な量で価格がリーズナブルなこと、日本のお店であることなどです。下穴径については、車両の既存の穴が、下穴7.1mm指定の商品では入らない可能性がありましたのでこちらを選択しました。取り付ける数が知れているので、かしめるためのハンドナッターは購入せず、ボルトナットを用いて変形させる予定です。
ただ、取付部の奥行きが少し足りませんので、ナット側もしくは奥の鉄板のどちらかを削ります。なお、配線を通す穴は内張に新たに開ける予定です。

奥の鉄板が邪魔をしますので、リヤワイパモータを取り付けている鉄板を
一旦外さないとかしめることが出来ないです。

あとがき

以上、経過報告と製作する上で気になったことや未解決案件を書いてみました。相変わらず配線関係は未着手です。そろそろ考えねばと思ってはいるのですが。ある程度進捗したらまた経過報告したいと思います。
では、また今度です。

コメント

スポンサーリンク