スマートフォンのホルダーを作ってみました。まだまだ試作の域を出ていないのですが、実際に使いながら成長させる予定です。製作は3Dプリンターを使っています。セロー乗りで3Dプリンター使いの方はあまりいらっしゃらないような気がしますので、参考にならないかも知れませんが、試作第1号の製作の過程を御覧ください。
設計方針
どのオートバイにも取り付けできる汎用性は必要ありませんので、セロー専用が大前提です。また、スマートフォンに対する汎用性も考えないので、現在使っているスマートフォン専用で設計します。
取付け場所、取付け方法は、
- なるべく視線の移動が少なくてすむ場所
- 複雑なギミックを使わない取付け方法
を基本方針としましたので、冒頭の写真にありますように、メーターの上方に市販のクリアケースを使って固定する方法としました。したがって製作するのは、メーター前面に、ある角度を持ってクリアケースを固定するためのアダプターになります。アダプターの固定方法は、メーター側、クリアケース側共に両面テープを用います。また、スマホを外した時にあまり目障りにならないような形状が望ましいと考えましたので、クリアケース部分はネジ3本で取り外せるようにしました。
計測・設計・製作
メーター前方の角度のついた部分に添わせますので、設計に際してまず、測定しなければなりませんが、そんなに正確に測定できるわけもなく、メーター前方の形状を適当に測定して、ゲージを印刷し、現物合わせで少しずつ形状をフィットさせる方法を取りました。
まず、接着面が直線かどうかですが、スケールの左右の隙間でわかるように直線ぽい部分も微妙な曲線のようです。あまり幅広く沿わせるとなると曲線を再現しないといけないので、沿わせる部分は40mm程度の直線で設計することとします。

続いて、角度ですが、家中探しても分度器が出てこなかったので、三角定規を当ててみて雰囲気で測定してます。

角度合わせのゲージを印刷して現物合わせをしているところです。厚さ1mmのゲージです。接着面の上方と下方で角度の差がないかなどもチェック。

線接触での角度がほぼ合っていたので、次は、面として合わせるため、メーター上面と前面の傾きを、こんな感じで見てみました。直角よりわずかに鈍角です。

で、面の現物合わせ用ゲージです。 最終的に94度で設計しています。

スマートフォンの角度を確認するため、接着面を印刷して合わせてみます。メーター縁の面取り部も確認です。

クリアケースをつけてみるとこんな感じ。

接着面の大きさの確認を含めて、ほぼ最終的な現物合わせ用のモデルです。ヘッドライトカバーとの隙間なども微妙に調整しています。

これらの工程を経て、試作1号機の最終設計がこちら。


そして、印刷結果がこちら。

固定は皿ビスで行いますので、インサートナットを熱圧入して、全体の強度アップのためアニール処理をします。


完成品。組み立てるとこんな感じ。


装着
両面テープを貼ってメーターに固定します。果たしてこの貼付面積で走行の振動に耐えれるのか、甚だ疑問ですが、試してみるしかありません。テープは屋外用の-20度から180度まで耐えられる、スコッチの KHR-19 を使ってます。このために買ったものではなく、家にあった長期在庫品です。


クリアケースのネジ位置に革ポンチで穴を開け、

両面テープで固定します。

はい。これで一応完成です。

スマホをつけない時は、クリアケースを外して、ボタンビスで雌ねじを隠す予定です。

前から見たところ。

試走
ダートは走ってませんけど、試走してみました。メーター自体がゴムブッシュを介して固定されていますので、ギャップなどでは少々の揺れはありますが、舗装路のクルージングでは問題ありません。視線の移動も最小限ですし、角度もいい感じです。両面テープも今のところ剥がれそうにありません。ただ、一番の問題は、太陽の位置によっては画面がほぼ見えないことでしょうか。改良の余地ありです。



あとがき(試作2号に向けて)
とりあえず、試作1号完成です。ただ、いきなり、いろいろ、気になるところがあります。
- 真夏の直射日光による熱問題。
- 太陽光で画面が見えない問題。
- 両面テープの耐久性問題。
- グローブで操作がし難い問題。
- 雨の日どうする問題。
などなど。ホルダーのせいではない問題も含まれていますが、少しずつ改良していく予定です。
では、また、です。
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