3Dプリンター スライサーソフト Ultimaker Curaのインストール

3Dプリンター

ANYCUBIC MEGA-Sの組立、テストプリントが完了したので、いよいよ作りたかった物を現実の物にしていきます。3Dデータを作るソフトも大切ですが、今日の課題はスライサーソフト ”Ultimaker Cura” のインストールです。ダウンロードから初回起動時の設定までを解説します。

2021/11/18 追記
2021/11/09にCuraの4.12.0がリリースされました。 同年10月にWindows11もリリースされましたので、最新OSに最新Curaをインストール記事をアップしました。よろしかったら見ていってください。

ところでスライサーって何だ

スライサーソフト、スライスソフト、スライシングソフト、スライサー、いったいどれが正解なのでしょうか。ここではスライサーを採用します。

3Dプリンターで物を作る手順を雑に表現すれば次のようになります。

  1. 作りたい物の3Dデータを3D-CADなどで制作しSTL形式で保存する。
  2. 出来上がったSTLファイルをもとに、プリント時に必要な情報を追加して、3Dプリンターが理解できるGコードに変換する。
  3. 3DプリンターにGコードを読み込んで造形する

スライサーが担当するのが2番目のお仕事です。同じ3Dデータを読み込んでも出てくるGコードはスライサーによって変わります。では、読み込んだSTLファイルを元に何をしているのでしょうか。簡単に説明しておきます。

スライサーは基本的に、受け取った3Dデータの形状を実現するために、フィラメントの出てくるノズルがどのように動けば良いかを計算しています。計算するためには1層ごとの厚さや充填率、分解能、サポートやラフトの形状などの条件を与える必要があります。そして最終的にX軸、Y軸、Z軸の座標値を次々に与えるGコードの形式で出力します。3Dプリンターはこの座標値の順番通りに動くことになります。他にもフィラメントを押し出す量だったり、溶かす温度やテーブルの温度、ノズルの動く速さなどもGコードに含まれています。
MEGA-Sに付属していた印刷サンプルのフクロウさんのGコードは20万行を超えていますが、ほとんどが座標値です。

そんな大変な作業をしてくれるスライサーの中で、今回選んだのは、無料で使えるCuraです。どのスライサーを使うのかは印刷品質に直結します。またネット上にいかにたくさん情報があるのかも重要です。Curaはそのどちらも満足できそうなのでたくさんの人が利用しているのでしょう。こんなソフトが無料で使えるなんて感謝しか有りません。

ダウンロード

同梱されていたSDカード上に一応収録されていますが、バージョンが大変古い(Ver 15.04.6 2016/03/23リリース)ので最新のもの(Ver 4.8.0 2020/11/23リリース)をダウンロードしましょう。公式ページからダウンロード出来ます。

「無料ダウンロード」をクリックします。

使用しているOSを選択して「今すぐダウンロード」をクリックします。私はMacを使ったことないので、以下、全てWindowsでの話しです。Macの方ごめんなさい。

ブラウザがChromeの場合、左下のファイル名をクリックするとインストールが始まります。
または、ダウンロードしたフォルダに移りファイル(Ultimaker_Cura-4.8.0-amd64.exe)をダブルクリックしてください。

インストール

セットアップウィザードが始まります。[次へ(N)>]をクリック。

ライセンス契約書が表示されますので、確認をして [同意する(A)] をクリック。

インストールするフォルダを決めます。デフォルトで良ければそのまま [次へ(N)>] をクリック。
指定したフォルダには540MBほどがインストールされるようです。

スタートメニューの名前を決めます。デフォルトで良ければそのまま [次へ(N)>] をクリック。

インストールするコンポーネントを選択します。デフォルトでは、4つが選択されています。
Ultimaker Curaは選択解除できませんので、そのままですが、その他の選択について、調べた範囲で解説します。

  • Ultimaker Cura
    Cura本体。必須です。
  • Arduino Drivers
    3Dプリンター内のarduinoとパソコンがUSB経由で通信する場合のドライバーです。SDカードを用いてデータを読み込む場合には必要ありません。
    USBケーブルで接続する場合でも制御がarduinoでなければ、当然いりません。
    今回対象のANYCUBIC MEGA-Sがarduinoで制御されているのかわかりませんが、専用のドライバーが付属のSDカードにありますのでそちらをインストールすることになります。
    私はSDカード運用なので専用ドライバーも入れません。
  • Install Visual Studio 2015 Redistributable
    Visual Studio 2015 を使用してビルドされたアプリケーションを実行するために必要なランタイムがいくつかインストールされるようです。Curaを実行するために必要だと思われます。たぶん。
  • Open STL files with Cura
    読み込む予定の3Dデータの種類に応じて選択します。多くの場合、STLが読み込めれば大丈夫と思います。

ということで、Arduino Driver のチェックのみを外します。必要なディスクスペースが552.1MBから539.8MBに減少し、12.3MBのダイエットです。
[インストール]をクリックします。

インストール状況が流れますので、しばらく待ちます。

インストール完了です。[完了(F)] をクリックします。直ぐに実行しない場合は「Ultimaker Cura 4.8.0を実行」のチェックを外してください。

初回起動時の設定

初回起動時に利用するプリンターの設定などを行います。

必要ファイルの読み込みが開始されますのでしばらく待ちます。以後しばらく英語です。

「ようこそ」画面が表示されます。

[Get started] をクリックします。

User Agreement が表示されますので同意する場合は [Agree] をクリックします。
押さなきゃ進まないので、同意してください。

一応翻訳しておきました。気になる方は読んでください。


ユーザー規約

Ultimakerによる免責事項

この免責事項を注意深くお読みください。

書面で別段の定めがある場合を除き、Ultimakerは、いかなる種類の保証もなく、Ultimakerソフトウェアまたはサードパーティソフトウェアを「現在の姿」で提供します。 Ultimakerソフトウェアの品質とパフォーマンスに関するすべてのリスクはあなたにあります。

適用法で義務付けられているか、書面で合意されていない限り、Ultimakerソフトウェアまたはサードパーティソフトウェアの使用または使用不能に起因する一般的、特別、偶発的、または結果的な損害を含む損害について、Ultimakerはいかなる場合も責任を負いません。

[辞退して閉じる]  [同意する]


新しい機能やバグフィックス情報などが表示されます。[Next]をクリックします。
インストール後に以下から読むことも出来ます。

データを収集するらしいです。[Next] をクリックします。

一応の翻訳。


UltimakerCuraの改善にご協力ください。

Ultimaker Curaは匿名データを収集して、印刷品質や以下を含むユーザーエクスペリエンスを向上させます。

マシンタイプ 材料の使用法
スライス数 印刷設定

Ultimaker Curaによって収集されたデータに、個人情報は含まれません。
詳しくはこちら


Ultimaker のアカウントにサインインしたりアカウントを作る画面ですが、[スキップ]でよろしいんじゃないでしょうか。アカウントを作ると次のような良いことがあるようです。

-より多くの印刷プロファイルとプラグインで作業をカスタマイズできます。
-設定を同期して、どこにでも読み込めるため、柔軟性を維持できます。
-Ultimakerプリンターのリモートワークフローで効率が向上します。

利用するプリンターを登録します。Add a networked printer の方が開いてますが下側のAdd a non-networked printer の方を展開します。

左側の選択肢の中からAnycubic i3 Mega を選択します。Mega-s の選択肢は無いようです。ほぼ同じなので問題ないです。せめて、右側の名前だけでも変えておきましょうか。好きな名前でどうぞ。[Next] をクリックします。

これで初回起動時の設定が終わりました。やはり日本語がいいです、と言う方は変更しておきましょう。

メニューのPreferences > Configure Cura をクリックします。

日本語を選択して、[Close] をクリックします。設定を反映させるには一度、ソフトを立ち上げ直します。

日本語が出てきました

メニューも大丈夫ですね。

あとがき

さて、今回はスライサーについて見てきました。と言ってもインストールだけですけど。次は実際の使い方ですかね。どんな設定があるんでしょ。印刷サンプルのフクロウの羽角の部分が結構薄くて45度くらい斜めですけど、サポートいらないんですね。あれは普通に出来る物なのか、それとも特殊な設定でもあるのか、知らなきゃいけないこといっぱいです。結構経験が物を言う世界のような気がしてきました。3Dプリンターは。

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