セロー250/コンパクトリレーの防水処理とリレーを使った回路にダイオードは必須か?のメーカーの見解。

部品・用品

今回は、エーモンのコンパクトリレーをなんちゃって防水にした話と、前々から気になっている、リレーを付けるときにダイオードいるいらない問題についてエーモンさんに聞いてみた話です。ダイオードがいる理由もわかっているつもりですけど、今までダイオード無しで何の問題も起きていないのも事実です。さて、本当にいるのかどうか、もやもやは解消できるのでしょうか。

本題の前に

補足を少し。今現在、バラバラで付けてきた電装品の配線が美しくないので、少しでも綺麗にまとめるとともに、雨に対する信頼性を増すためにカプラーを防水仕様に変更する計画が進行中です。その一環としてリレーも防水にしてしまえというのが今回の話です。そして、今まで知ってたけど無視してきたコイルによる逆起電力にダイオードは本当に必要か?という疑問に終止符を打とうと思います。必要なのであればダイオードを装着した上で防水処理を施そうと思っています。

では、まず、ダイオードについての問い合わせの話から。


コンパクトリレーについて

今回、問い合わせの対象としたコンパクトリレーは、現在では生産終了となっている【1586】です。後継として販売されている【3234】との違いについては調べておりませんが、仕様を見る限りでは差が無いように見えます。

生産終了となった【1586】の外観。装着して使っていたものなので、分岐などの加工を施しています。

問い合わせ内容とその回答

もやもやを解消するため、情報はないかとエーモンさんのサイトを見ている時に、お問い合わせのフォームを発見しましたので、そちらから問い合わせてみました。
熟考せず、思いつきで問い合わせたので、接続内容など全く触れないまま、このリレーにダイオードは必要ないのですか?と子供のような質問をしてしまいました。それに対しての回答は次のようなものでした。
スイッチのON-OFFを表すLEDが実装されているスイッチを、コイルのプラス側につける場合には必要になりますが、そのようなパイロットランプが無いスイッチを使う場合は、 特に必要となるケースはありません。
とのことでした。
なぁんだ、いらないんだ。と一瞬安心したのですが、よくよく考えると、専用のスイッチなんて介さずに、メインスイッチONで通電する線(ホーンのプラス側)に割り込ませている事に気付きました。
てことは、メインスイッチより下流の電装品には影響があるのでは?とまたもや、もやってしまったので、回答メールへの返信の形で、このことを告げ、必要性の有無について伺ってみました。で、回答は。
概ね問題ありません。ご不安であれば精神衛生のため【1555】整流ダイオードをご使用頂いても差し支えございませんが、必須ではありません。
だそうです。
話が脱線しますが、エーモンさんのサポートはレスポンスが大変良くて、1回めの問い合わせは30分後に、2回目に至っては10分後には回答をもらえました。大変好印象です。担当者様ありがとうございました。


で、どうする?

最終的には精神論に辿り着いてしまいましたし、エーモンさんの言い回しから推測するに、これはおそらく無くっても問題ないんだろうとは思うのですけど、あっても問題ないのなら、精神論的には付けるのが正解のような気がしますので、装着で決定です。というわけで、解決したような、してないような微妙な結果で、もやもやは晴れませんでしたが、方針は決定しましたので、ここからはダイオードの装着と防水処理についての話をしていきます。


カバーの中

では、早速ダイオードを付けるべく、リレーを覆っているカバーの中身を拝見です。使っているリレーは SANYOU の SARK-S-112D でした。データシートはこちらですので気になる人はどうぞ。

サンヨーっぽいけど、三友です。
ハンダのクオリティーが今ひとつ。

今回はダイオードの装着だけでなく、カプラーの防水仕様への変更のために、既に加工している分岐の場所を変える必要があるのと、半田付けが今ひとつ気に入らなかったので、いったんすべての配線を外すこととしました。また、3Dプリンターで作った防水ハウジングに入れるため基盤を少し小さく削っています。

基盤は縦、横とも短くして角を丸くしています。
ハンダの吸取器で余分なハンダを処理しています。

装着するダイオードは昔買って使わないでいたエーモンのロッカスイッチ(型遅れの【1293】)に付属していたもので、熱収縮チューブを剥がして線をカットしたものです。規格とかはよくわからないです。

基板の穴に合わせて線を曲げておきます。

ダイオードの追加と再配線

配線は図で書くとこんな感じです。青色が防水カプラーです。実際には同じ方向にカプラーを出します。また、メインスイッチOFFで通電している配線は使いませんので、結線しません。

赤の実線が常に通電。点線がメインスイッチONで通電。黒はアースです。

配線の分岐はスプライス端子を使って圧着し、念の為、半田付けをして、熱収縮チューブで保護しています。

この後、熱収縮チューブで保護します。

コード、ダイオードを基盤に半田付けしていきます。タンク下での取り回しの都合上、すべての線を同じ方向に出しました。

ダイオードは基盤のリレー側に実装しました。コードとともに裏側でハンダ止めです。アノードがアース側です。
少々無理な曲げがありますが、可動部分ではないので大丈夫でしょう。

防水処理

3Dプリンターで作ったハウジングに基盤ごと入れてシリコンで固めるいつもの手口です。これで本当に防水になっているのか試験をしたことはありません。ハウジング側は恐らく大丈夫と思いますが、熱収縮チューブとコード、コードとコードの隙間から水が侵入するとアウトですので、熱収縮チューブ内にも念入りにシリコンを入れて固めています。

防水カバーに入れてみたところ。このあと、熱収縮チューブを通し、シリコンを流し込みます。
なんちゃって防水リレーの完成です。熱収縮チューブ内もシリコンで満たされていますので、恐らく水は入らないかと。

あとがき

結局、もやもやは晴れないままですが、ダイオードを取付ける方向で進めました。セロー本体の配線図を眺めてみても、スターターリレーにはダイオードが入っていますが、その他のリレーではその存在が確認できません。リレー本体に内蔵されているのでしょうか。それとも、リレーのコイルの巻数とかに関係してくるのでしょうか。この辺にクリアな答えを持っているとオートバイの電装品改造とかでも違った視点から見ることが出来るんだろうなぁ。楽しいだろうなぁ。がんばろっと。

では、今日はここまでです。

コメント

  1. ゆーぢ より:

    本職のハード屋ですが、ダイオードは絶対付けますよw

    コイルの駆動側がオープンコレクタ等の片側駆動の場合、駆動が終わった瞬間の逆起電力の行き場がなくなり、自然消滅するまでの過程で高い電圧が現れます。
    では目的の動作が達成できないのかと言えばそうともなりません。
    (この話が明白だと感じられない要因はここでしょうねw)

    ICなどに付けるパスコンも同じ話ですが、回路を構成するデバイスが単独であれば問題として表面化することがなく、つまり周辺にノイズをまき散らすことが問題なんですね。
    コイルの駆動ラインの近くにインピーダンスの高い信号線があれば必ずノイズが乗ります。
    (電気回路は全体的にインピーダンスが低いため影響が出にくいです)

    ちなみにダイオードを付けた場合、逆向きの電圧がVFを超えた時点でダイオードが導通するため、それ以上高い電圧は発生しなくなります。
    ダイオードの選定についても、過電流でのショートモード破損とか可能性としてはありますので逆回復速度や電流定格などちゃんと設計すべき点ではありますねー。

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