CURA 4.8.0 一層目の穴が定着しない。移動後のフィラメント不足。糸引きが原因?

3Dプリンター

3Dプリンターを使い始めてまだ1ヶ月少々ですので、使い方や設定で困ることがよくあります。きっと、使い慣れた方からすると当たり前の対処だったとしても、CURAの設定項目が多くて、解決に時間がかかります。そんななか、ずっと気になってた症状の解決策が見つかったのでうれしくなって記事にしました。印刷を伴わない移動後にフィラメントの押し出し量が足りないような症状の解決です。

使っている3DプリンターはAnycubic Mega-s でフィラメントはPLAです。他の機種を使ったことが無いので、一般的な話しなのか、Mega-s 特有の話しなのかわからないまま書いていることをご承知おきください。

症状

例えばこんな形を印刷するとします。

幅100mm奥行き20mm高さ5mmで穴の直径が6mm、穴間隔が80mmです。

CURAのデフォルトでスライスして一層目の印刷の途中を見てみます。

最初に左の穴から印刷し、次に右側の穴を印刷しているようです。青い点線は印刷を伴わない移動です。

実際の印刷の様子はと言うと、上側の画像が左の穴、下側が右の穴です。今回は定着しましたが定着しないときの方が多いくらいです。画像からもわかるように、定着したとしても押し出されたフィラメントが少なくとても細くなります。

もう少し印刷を進めたところです。三重の円で太さが違っていますが、真ん中の円のみ右上の角から移動して印刷したもので、内側と外側の円が左の穴から移動して印刷したものです。移動距離が長いほどフィラメントが不足しているようです。また、印刷していない移動時にフィラメントが引き出されているのが気になります。

考えられる原因

移動した後で症状が出るので、移動するときの何かがおかしいのだろうということで、まず思いついたのは引き戻し量の設定です。引き戻しとは印刷を伴わない移動の時にテーブルや印刷物によって引き出されたり、溶融により自然と垂れてくるフィラメントを無くすために移動前に設定量だけフィラメントを引き戻す動作です。次の印刷開始位置に移動したら引き戻した量だけフィラメントを押し戻して次の印刷に備えます。

プリント設定のカスタムの方で詳細を見てみると引き戻しは有効になっていて、その量は6mm。「引き戻し最小移動距離」が1.5mmなので、引き戻し動作はしているはずです。

CURAの画面ではノズルの動きは見えてもフィラメントの押し出し量などは見えないので、引き戻し時にどんな動作をしているのかテキストエディタに読み込んでGコードを見てみました。

74行目が左の円の最後の座標で、77行目で右の円の始点に移動しています。そして80行で右の円の印刷が始まっていますが、フィラメントの引き戻し動作も押し戻し動作も書かれていません。最小移動距離を優に超えているのに引き戻し動作が行われていないようです。
引き戻さない代わりにノズルの移動距離に対するフィラメントの押し出し量を変化させているのかもしれないと思って計算してみました。
左側円の最後の動作である73行の座標から74行の座標にかけてのノズルの移動距離は1.0245mmで、その移動距離でのフィラメントの押し出し量は0.0477mmです。それに対して、右側円の最初の動作である77行の座標から80行の座標への移動距離は1.0234mmで、フィラメントの押し出し量は0.0477mmです。何の補正も無く押し出されています。ほぼ同じ割合でフィラメントが押し出されていますので、左の穴から右の穴への移動時にベッド上に引き出されていたフィラメントの分だけフィラメントが不足していると見て良いようです。
移動距離が長いときほどフィラメントがより足りないという症状にも納得がいきます。

検証

原因が見えてきましたので、色々調べました。で、行き着いた結論は「コーミングモード」というやつです。

デフォルトでオン(すべて)になっているようです。オンだと引き戻し制御は制限されるのだそうです。
コーミングとは印刷を伴わない移動の時にすでに印刷された領域内のみを移動することにより、不本意に出てしまったフィラメントで外観の品質を下げないようにする機能だそうです。印刷面内を移動するので、少々フィラメント出ても良いから引き戻しはしないことにします。ということでしょうか。
引き戻しをすると押出機の中でフィラメントが傷つき、切断の原因になることがあるようですので、引き戻しをしないことにメリットはあるのでしょうけど、きちんと印刷できないようでは困ります。
コーミングについての詳細はメーカーのサポートサイト(Combing)にありましたので、そちらをみてください。英語です。

コーミングをオフにした状態でのGコードを見てみます。

77行目でちゃんと引き戻し動作が入っています。量も設定通りの6mmです。戻す速さも設定値通りです。
押し戻しも83行でしてますね。引き戻した量だけ押し出してます。

実際の印刷は、効果抜群です。テーブルによって引き出されるフィラメントが皆無になりました。移動後のフィラメントの押し出し量も問題ないようです。

関連する設定項目

プリント設定の詳細を眺めていると気になる項目があったので、少し触ってみました。
「余分な押し戻し量の引き戻し」という訳のわからない日本語のパラメーターです。この値が0だったら引き戻した量と押し戻す量は全く同じで、数字を増やすとその分だけ押し戻し量を増やしますというパラメータです。体積(立方mm)で指令しますので、1を入力すると0.4ミリくらい余分に押し戻すようです。移動後のフィラメント量に不足を感じたら足してみると面白いかもです。ちなみにマイナスの値を入れたら表示がオレンジ色になりますが、ちゃんと押し戻し量が引き戻し量より少なくなっていました。

あとがき

今回、気になる問題点が一応解決しましたが、この解決方法が本当に正解なのか疑問に思っています。長年3Dプリンターを研究しているメーカーがデフォルトでONにしている機能なのだから、その機能のメリットを享受した上で違う方法によって解決できるんじゃないかと思ってしまいます。
まぁ、今のところこの方法しか思いつかないので、フィラメントの切断などを気にしながらしばらくこれで運用してみます。

では、今日はここまで。

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