メーカー指定の交換時期はまだまだ先ですが、リヤデフのオイルを交換しました。17,000km走行したエブリイが吐き出したオイルの色を見ていってください。
交換する理由
デフオイルのメーカー指定の交換時期は、40,000km (シビアコンディションでは20,000km) です。私のエブリイはまだ17,000kmしか走っていませんし、シビアコンディションでもないと思います。それでも交換しようと思ったのは、前回の車検点検時にデフからの異音が少々気になったからです。ジャッキアップしてタイヤを前後に回した時のデフ辺りから聞こえる音や、手に感じるゴリゴリ感とかバックラッシュの大きさも何となく気になりました。他のエブリイを触ったことが無いのでこれが正常なのか異常なのかの判断は出来ていません。オイル漏れは、にじみも含めて発生していませんのでオイル量に問題はないはずですが、人間が作ったものですから、何かの手違いで量が少ないとかあり得ないわけでは無いと思い、量の確認の為および、交換で症状が軽減するかもしれないという期待もあって交換を思いつきました。
交換オイルの銘柄と規格
メーカー推奨オイルは、「スズキ四輪スーパーギヤオイル 75W-85」で、オイル量は 1.3L です。
このオイルがGL-5かどうかの確認は取れていませんが、デフだったらGL-5で良いでしょ、との安易な判断で、今回はGL-5の中から選びました。選んだオイルは、サクラという聞き慣れないブランドの「エシカル ギヤオイル GL-5 75W-90」(アマゾンへのリンク)です。 指定オイルよりほんのちょっと固めのオイルです。4L ボトルを一缶購入しました。
ちゃんとした日本のメーカーで、公式サイトはこちらです。
それと、実は私、ベルハンマー教に入信しかかっておりますので、LSベルハンマーを5%ほど混ぜる予定です。ゴールド(アマゾンへのリンク)は予算オーバーなので、買ったのはこちらです。
必要な工具
緩めるボルトは二本のみで、オイルドレンプラグの方は19mmのレンチまたはソケット、オイルレベルプラグの方は10.0mm角のドレンプラグソケットが必要です。で、このオイルレベルプラグの10.0mm角が曲者でして、スピンナーハンドルの9.5mm角で回りそうですが、僅かにプラグの方が大きいので四角穴を傷めることがあるようです。そんなわけで、10.0mm角用のドレンプラグソケットを購入するわけですが、10.5mm用という似たような寸法の製品がありますので注意が必要です。更にややこしいのが型番に”10″という数字があっても10.5mm用の製品があることです。具体的な例として、KTCの次の製品の片方は10.5mm用です。(リンクはいずれもアマゾンの商品サイトです)
エブリイで使える10.0mmのソケットは “AC302-10” の方です。
このソケットを回すために9.5角のスピンナーハンドルもしくは17mmのレンチが必要です。
トルク管理をしたい場合はトルクレンチも準備します。
ガスケットは両方とも新品交換が指定されています。
- リヤデフオイルドレンプラグガスケット
型番:09168-12002
サイズ:内径12.1、外径16.2、厚さ3.7
(実測ではありません。パーツリスト上の数値です。) - リヤデフオイルレベルプラグガスケット
型番:09168-20002
サイズ:内径20.5、外径30、厚さ1.5
(実測ではありません。パーツリスト上の数値です。)

その他にオイルを注入するためのオイルサクションガン(アマゾンの検索結果にリンク)があれば便利ですが、高価なので100均のドレッシング用ボトルを買ってきて代用しました。
ジャッキアップは必要か?
後ろから覗いてもらうと分かるように、デフの位置がそんなに奥の方でもないし、高さもあるのでジャッキアップしなくても交換出来そうな気はしますが、ネジを緩める、締めるの動作の時に体勢が悪く力が入りにくいと思います。また、ジャッキアップした時とそうでない時では、デフケースの傾きが変わりますので注入量も変化します。(それが問題になるとは思いませんけど)
今回は交換前後およびオイル無しの時の異音の変化や手でタイヤを回したときの感触の変化を体験しておきたかったので、四輪とも持ち上げてリジットラックに乗せて作業をしています。
抜き取り作業
オイルレベルプラグを外します。
レベルプラグを外すといきなりオイルが溢れてきました。正確に計ったわけではありませんが、100cc程度は出たと思います。封入量が少ないんじゃないかの疑惑は却下されました。

オイルドレンプラグを外してオイルを抜きます。

17,000kmでの汚れ具合ですが、このオイルの元の色を知らないので、どの程度変色しているのか分かりませんが、とても綺麗に感じます。削れた鉄粉のギラギラも確認できませんし、ドレンプラグへの鉄粉付着もありませんでした。

総排出量は1.1Lでした。規定量より0.2Lも少ないです。完全に冷えている状態で抜いたので抜き切れていないかも知れません。それでも、お昼ご飯を挟みましたのでドレンプラグを抜いたまま1時間以上は放置しています。
注入作業
ドレンプラグおよびガスケットの当たる面を清掃してからドレンプラグを締め込みます。規定トルクは55N・mです。ドレンプラグのガスケットは派手に塑性変形してシールするタイプです。新品の厚みの実測値が3.5mm、使用品では1.1mmです。2.4mmも変形していることになりますので新品への交換が必須です。ガスケットの向きですが、折り返しのない方がデフケース側になっていました。私の車両ではそうなっていただけで、向きが重要なのかどうかは分からないです。サービスマニュアルにも向きの指定はありません。

LSベルハンマーを65cc添加しました。作業効率なんて関係の無いDIY作業なので、のんびりと350mlの100均なんちゃってオイラーで注入です。思ってたより簡単に注入できました。

注入量ですが、ちょうど1Lを入れたところでオイルが溢れてきました。排出量より0.1L少ないです。出た量より少ないのは何だかなので、リジットラックに乗せたまま、デフケースをガレージジャッキで持ち上げ(車両がリジットラックから離れる僅かに手前まで。すなわち、ジャッキアップしていない車両でのデフケースの角度)て、デフケースの傾きを変えると、約0.1Lほど追加で入れることが出来ました。
オイルレベルプラグを締め付けます。締付トルクは50N・mです。レベルプラグはプラスチック製のガスケットで、ぱっと見は変形してないように見えましたが、

よく見るとプラグの頭が当たるところはやはり結構変形しています。こちらも素直に新品にした方が良いかと思います。

ジャッキアップして高さを確保していても、締めるときの体勢が悪く力が入りにくかったです。レベルプラグの方は力の向きが上下どちらかなので特にそう感じました。ジャッキアップ無しだと私の力では規定のトルクまで締める自信が持てないような気がしました。
異音は軽減した?
さて、交換による効果はあったのでしょうか? 量、汚れなどの結果からお察しのように全く変化無しです。デフからの音、回転時のゴリゴリ感、バックラッシュの大きさ、何も変化を感じません。ちゃんとオイルが入っていた事を確認できたのが収穫です。
あとがき
何だか徒労に終わってしまった今回の作業でしたが、オイル不足の疑念が解消されて、気持ち的には良かったです。実はフロントデフとミッション及びトランスファーのオイルも交換するつもりだったのですが、リヤデフの結果を見て、もう少し先送りしようかなと思い始めています。
では、今日はこの辺で。
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