エブリイ Join ターボ / バッテリー上がり バッテリーテスターでCCAをチェックしてみた

every メンテナンス

これで二回目のバッテリー上がり。何だかんだで乗ることが少なくなっているエブリイなんですが、一ヶ月ほどの放置でバッテリーが上がってしまいます。前回も同程度の放置期間で始動不能となっています。電圧は8V程度まで低下していました。放電終止電圧以下まで下げてしまうとバッテリーにダメージがあるなんて話を聞いたことがありますので、寿命なのかどうか確認するためバッテリーチェッカー(AE300)を買ってCCAとやらを測定してみました。さてのその結果は?

バッテリーの何を測ればいいの?

今回知りたいのは「このバッテリーは寿命が近いのかどうか」です。この場合、バッテリのどの指標を確認するべきなのか、情報を求めてネットの世界をさ迷ってみました。測定指標のキーワードとして、電圧、CCA、電解液比重の三つが出てきましたが、サイトによって意見は様々で、CCAでは寿命は分からないから電圧と比重から判断するべきと主張している方がいたり、全く逆で、寿命はCCAで判断をと言う方がいたりで、結局何を信じて良いんだか分からなくなってしまいそうです。メーカーに近いサイトの方が信頼性はあるよね、とか思いながら探していましたが、測定機器で有名なHIOKIのサイトに「鉛蓄電池ハンドブック」という参考になりそうな文章がありましたので、興味のある方覗いてみてください。他には、日立オートパーツ&サービスの「バッテリーチェッカーハンドブック」も少し古いですが分かりやすくバッテリー全般のことが書いてあって参考になりました。
と、まあ、色々勉強した結果、素人としては、CCA測っとけば良いんじゃない。という結論に達しました。

測定器の購入

ということで、早速、CCAの測れるバッテリーテスターを購入です。アマゾンで最安クラスの製品で、サクラチェッカーではヤバイ数字(出品者によっては)をたたき出してますが、ブログやyoutubeでもまあまあ紹介されている「AE300」という機種を選択しました。いろんな出品者が思い思いの価格で出品していまして、私は最安ではないけれど、発送がアマゾンであることを理由にこちらを購入しました。

プラスチックの質感が本当に安っぽいです。

AliExpress での購入に抵抗を感じない方は、AE300で検索するとたくさん出てきます。3,000円しませんので、是非。
到着した製品は、ぱっと見、大変ちゃちいですが、問題なく測れてますので、良しとします。精度などは比較する物がないので当然分かりません。

測定準備

測定に入る前に一つ調べておくべき数値があります。CCAの定格値です。バッテリーの仕様上のCCA値をテスターに入力して、バッテリーの状態を判定するために使用します。この値はバッテリー筐体のどこかに記載されていたり、メーカーのWebサイトで調べると分かります。日本メーカーはCCAを公表していないところもあります。その場合、JISで定められている値を定格値として入力します。
ここで、エブリイ標準搭載バッテリー(38B19)のCCA定格値について少し触れておきます。
私のエブリイには古河電池のHi-Dashというバッテリーが搭載されていました。

純正バッテリー。型式は38B19R。今回の記事ではRとLの区別は関係ないので、
省略しています。

CCAの定格値がバッテリーのどこかに書いていないか見てみましたがどこにもありません。続いて、古河電池のWebサイト上にデータがないか調べてみましたが、残念ながら見当たりません。ということで、今回はJISの規格に掲載されている値を採用します。該当するJIS規格は「JISD5301 始動用鉛蓄電池」 のようですので、JISのサイト(D5301に直接リンクが張れませんでした。JIS検索のページから”D5301″で検索すると直ぐ見つかると思います。)で入手しました。ただ、このサイトでデータを得るにはログインが必要です。図が含まれない文章のみで良いのなら、kikakurui.comのサイトにD5301が掲載されています。また、先ほど紹介した、HIOKIの鉛蓄電池ハンドブックの中にもCCAに関する部分が抜粋されています。
で、長々と話してきましたが、JISによる38B19のCCA定格値は、265Aです。

表示窓とボタンの説明

LCDに表示される内容と各ボタンの役割を書いておきます。

表示窓

  • インジケーターバー
    バッテリーの状態を0から100%のバーグラフで表示します。
    説明書によりますと、
    40%未満:内部のプレートが壊れているか古すぎるので交換すべきです。
    40%から60%:古くなっているので交換を検討しましょう。
    60%から80%:動作可能です。
    80%以上:良好です。
    となるようです。
  • 低電圧警告
    つないだバッテリーの電圧が低すぎる場合に点滅するようです。何ボルト以下なのかは説明書にも書いてありません。
  • 電圧・CCA定格値
    表示は2ページあります。1ページ目はバッテリーの電圧で、2ページ目は測定前に入力するCCA定格値です。
  • 内部抵抗・CCA測定値
    1ページ目はバッテリーの内部抵抗で、2ページ目は実際に測定したCCAの値です。

画面内にSOHおよび、SOCの表示とその値用の%が見えますが、おそらく他の高位機種用のLCDを共用しているため表示されているものと推測します。この機種にはこれらの指標を測定する機能はありません。

操作ボタン

  • UP・DOWNボタン
    CCA定格値を入力するときに、このボタンで数値を増減させて設定します。
  • セレクトボタン
    二つの用途があります。
    1.CCA定格値を入力するときに設定する桁を変更します。
    2.測定結果の表示ページを切り替えます。
  • OKボタン
    次の三つの場合に押します。
    1.オープニング画面からCCA定格値入力画面へ移動するとき。
    2.CCA定格値の入力を確定するとき。
    3.測定完了時のブザーを停止させるとき。
  • 電源ボタン
    電源をON、OFFします。

測定方法

では、実際に測定してみます。
測定は車両に搭載したままで大丈夫らしいので、車両とバッテリーとの接続を外す必要はありません。ただ、今回はCCA定格値を見つけるためにバッテリーを車両から外しましたので、バッテリー単体で測定しています。後で、車載時の測定値との誤差を確認します。
測定前の注意点として、運転直後や充電直後は避けて30分程度放置して欲しい旨が説明書に書いてありました。
このテスターはつないだバッテリーを電源として動作しますので、まず、プラス(赤)、マイナス(黒)のクリップをバッテリーに接続します。この段階では画面には何も表示されません。

電源ボタンを1回押して電源をONにします。短く1回ブザーが鳴ります。
2段の4桁の数字がカウントアップされ、すべてのセグメントが表示されます。(その後もカウントアップは繰り返されます。)

オープニング画面。OKボタンを押すまで全セグメントの表示非表示と
4桁数字のカウントアップが繰り返されます。

OKボタンを押すと、CCA定格値の入力画面に切り替わり “0500” と表示され、百の位が点滅します。

CCA定格値入力画面。

ここで、バッテリーの仕様上のCCA値を入力します。なお、先にも書きましたが、ここで入力するCCA定格値は、画面上部のインジケーターバーに表示されるバッテリーの状態を計算するために設定するものですので、測定するCCA値には影響を与えません。
まず、百の位が点滅している状態で、UPボタン、DOWNボタンを使って百の位を設定します。
セレクトボタンを押すと点滅する桁が移動しますので各桁を同様に設定します。
各桁の入力が完了したらOKボタンを押します。

CCA定格値を入力し終えたところ。OKボタンで測定が開始します。

即座に測定が開始されますので、しばらく待ちます。

測定中の画面。数秒で終了します。

測定が完了すると測定値が表示され、ブザーが一定間隔で鳴り続けます。ブザーを止めるにはOKボタンを押します。
結果は2画面に渡って表示されますので、セレクトボタンで切り替えて確認します。上部のインジケーターバーはどちらの画面でも表示されます。
1画面目の上段は、バッテリー電圧で、下段が内部抵抗値です。

1ページ目の画面。

2画面目上段は、入力したCCA定格値で、下段が測定したCCA値です。

2ページ目の画面。

最上段のバッテリーの状態表示は、入力したCCA定格値と比較した場合の結果ですので、JISの値を入れた場合などには、正しい指標になっていないかもしれません。また、新車時やバッテリー交換時に新品のバッテリーのCCAの値を調べておいて、その値をCCA定格値として入力してやると新品からの劣化度合いが分かる気がします。

なお、このバッテリーテスターは実際にCCAに値するような大電流を流して、その電流を測定しているわけではなく、内部抵抗を測定(測定方法はHIOKIの資料に書いてあります)してその値から何かしらの演算でCCAに近い値に変換しているだけですので、繰り返し測定してもバッテリーにダメージを与える事はありません。

今までの数値はバッテリー単体での測定結果です。バッテリーを車両に接続しているときとどの程度誤差が出るか試してみました。

微妙な誤差ですが、少し優秀な値となりました。

結果考察

改めまして、使用期間が3年3ヶ月で、電圧8V程度のバッテリー上がりを2回経験しているバッテリーの測定結果です。

  • 電圧:12.68V
  • 内部抵抗:8.68mΩ
  • CCA:316.6A

いずれの値も正常値ですね。
ということで、放置気味で2回位上がったバッテリーだったら問題なく使えるんだってことになりそうです。

ここで、ちょっと白状しちゃいます。CCAのテスターを購入する前に、たぶん寿命なんだろうなと思い込んで、あきらめモードでバッテリーを発注しちゃって既に手元に届いてしまってます。あ~、無駄なことをしてしまった。置いててもしょうがないからバッテリー2台積んでサブバッテリーにしようっかな~。と、なんとなく考えてます。

あとがき

今回の測定でバッテリー自体の状態は至って健康であることが分かりました。そうすると、1ヶ月程度の放置でエンジンが掛からなくなる事が少々異常なような気がします。近いうちに暗電流を測定して、何か妙に電力を消費している電装品が存在しないか確認しようと思っています。もし、異常に高い暗電流が流れているようでしたら原因究明も含めて記事にしようと思います。

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