Anycubic Mega-s のファームウェアをアップデートします。世間一般で流行っているバージョン 1.1.9 のカスタムファームウェアではありません。Anycubic の公式サイトに置いてある最新版、バージョン 1.1.5 のファームウェアです。カスタムファームウェアに興味がないわけではないのですが、いきなりは怖いので、公式ファームで練習です。
で、最初に白状しちゃいます。本当にアップデートできたのかどうかが、わからないんです。一応、アップデートの操作はしたつもりですが、何の変化もなくどこがどう変わったのか、サッパリです。今日は、そのもやもやした感じの報告です。
現在のバージョンを確認
純正ファームの最新版は先程書いたように、1.1.5 ですので、現在動いているバージョンがこれより古いかどうかを確認しておきます。
Mega-s のタッチパネルで、[Tools]、[More]、[Info] の順に進むとプリンターの情報が表示され、その中にファームウェアのバージョン情報もあります。1.1.2 でした。

ファームウェアのダウンロード
Anycubic のサポートサイトに、Mega-s用のファームウェアがありますので、ダウンロードしておきます。ページ中程の、Firmware にある i3 Mega S Firmware V1.1.5 が該当のファイルです。
ファイルへの直リンクはこちらですので、探すの面倒って方は、こちらからどうぞ。 Anycubic の google driveに飛びます。
ダウンロードされるファイルは mega-s-1.1.5.zip という圧縮ファイルですので、適当なところに解凍しておきます。実際使うファイルは、Marlin_TFT_MEGA_S_V1.1.5.ino.hex です。解凍してもこれ1個しか出てこないです。
パソコンとの接続
SDカードにファームウェアのファイルを入れて、Mega-s本体のみでアップデート出来ないものかと調べてみましたが、ダメっぽくて、パソコンとUSB接続する方法しか出てきませんでした。ということで、USB接続でシリアル通信をするためのドライバを入れて接続できるよう準備をします。これについては前回の記事で詳しく書いていますので、ここでは簡単に済ませます。
次のリンクからドライバを手に入れて解凍します。ファイルへの直リンクです。いきなりZipファイルがダウンロードされます。
CP210x Universal Windows Driver
直リンクを好まれない方は、ダウンロードサイトからたどってみてください。
続いて、解凍したフォルダ内にある CP210xVCPInstaller_x64.exe(64bitパソコンの場合)をダブルクリックして、インストールウィザードに従いドライバを入れます。インストール時のUSBケーブルの接続の有無や、Mega-sの電源のON、OFFは問いません。どのような状態でも問題なくインストールされます。
インストール後に、USBケーブル接続、Mega-s電源ONの状態で、デバイスマネージャーの、ポート(COM と LPT) にデバイス名とポート番号が表示されていればインストールは成功です。

ポート番号は環境によって変化します。
この状態でCuraを立ち上げて暫く待つと、Mega-s起動時と同じメロディーが流れて自動的に接続されます。
ファームウェアのアップデート
プレファレンスのプリンターの項目を開き、[ファームウェアアップデート]をクリックします。
もし、接続がうまく出来ていなければ、このボタンはグレーアウトしてクリックできません。

続いて、[カスタムファームウェアをアップロードする] をクリックしてファイル選択画面へ進みます。

先ほどダウンロードして解凍したフォルダ内のドライバファイル Marlin_TFT_MEGA_S_V1.1.5.ino.hex を選択して、[開く]をクリックします。

何の確認もなくいきなりアップデートが始まります。完了すると、[閉める] のグレーアウトが解除されますので、クリックしてアップデート完了です。

アップデートの確認
さて、ここからがモヤモヤの始まりです。
アップデート前にMega-s本体で確認した方法で、ファームウェアバージョンを確認しました。1.1.2 のままです。タッチパネルのメニューにも変化が見られません。印刷してみても、変わった様子がありません。ファームウェアのリリースノートが見当たりませんので、何がアップデートされたのかわからない状態です。バージョンアップに失敗しているのか、表示が更新されていないだけで、無事バージョンアップできているのか、知るすべを失いました。バージョン1.1.2のファイルが有れば、もとに戻して、検証できるのですが、それも叶いません。
何か違いを求めて
このまま終わると得るものがほぼ無いままなので、何とか違いを探してみたところ、いくつかの発見がありました。
Repetier-Host接続時のログにバージョンらしき数字を発見
Repetier-Hostというスライサーを使って、Mega-sと接続した時に記録されるログの中に、V1.1.5 の文字があるのを見つけました。これが、ファームウェアのバージョンなのか、たまたま、偶然、何かの数字が同じだったのかは分かりません。ただ、次の行には、1.1.0-RC8 の文字があり、これが、最後の方の行にある、FIRMWARE_NAME と同じなので、Marlin のバージョン 1.1.0-RC8 を元にAnycubicが作った 1.1.5 ?なんて希望的観測もできます。
Repetier-Hostのインストールなどについては、前回の記事を御覧ください。

ちなみに、V1.1.5 という返答が帰ってくることを期待して、M115(Firmware Info)のGコードを送って見ましたが、答えはマーリンさんの番号でした。


本文の中で使っているGコードの詳細は、Marlin Firmware のページを参照してください。
EEPROM内のデータに変化が
ファームウェアをアップデートしたら、M502、M500 を実行しておきましょう。なんてネット情報があったので、鵜呑みにしてやってみました。M502はデフォルト値を読み込む命令で、M500はその値をEEPROMに書き込む命令です。そしてその後の接続時のログがこちらです。ホットエンドのPID値が変更されています。

結論。意識的にこの値を変更した記憶はないので、おそらく、タッチパネルの情報は変化していなくても、ファームウェアのアップデートは成功し、新しいバージョンが動いているものと思われます。
あとがき
ということで、ファームウェアのアップデートの顛末を書いてみました。半分強引にアップデート成功ということにしてしまいましたが、やはり、少しもやもやします。私のMega-s購入が2019/11で、1.1.5のタイムスタンプよりも新しいというのも、もやもやに拍車をかけています。タッチパネルの表示が、1.1.5以前の方は、アップデート前にアップデートが成功したことを確認できる、タッチパネルの情報以外の”何か”を手に入れてからアップデートされることをお薦めします。
では、今日はこのへんで。
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