セロー250 メンテナンススタンドの製作

serow メンテナンス

数千円出せばそれなりの物が手に入るのですが、なんだか人と違う物を使いたいという変な欲望のため、自作することに。作ってて楽しいですし。コンセプトは、”からだにやさしく” です。単なる箱に強引に載せるのは体力的に無理なんです。色々考えてできあがったのが、今回ご紹介のメンテナンススタンドです。さて、使い勝手はいかがなものでしょうか。


市場調査

何かを作るときにはいつも市販品を見て参考にしています。今回の対象はエンジンの下を持ち上げて後輪もしくは前輪を(できれば両輪)浮かせるタイプです。

買えそうな価格帯でもいろんなタイプがありますね。在庫なしのものもタイプ違いということでリストアップしました。正直この価格なら買った方が楽で確実なような気もするんですけど、「メンテナンス 自作」あたりで検索してみると、みなさん楽しんでるんですよね。いろんな方法で。無駄に時間かけてる人(褒め言葉です)もいれば、プラスチックのケースを補強してるだけの人とか。やっぱり自作の道を選んだほうが幸せになれそうです。


構想、設計、製作

実は今回のメンテナンススタンド、二作目です。一作目は見事な程に使い物になりませんでした。自虐的な記事にしようかなとも思いましたが、踏みとどまって、二作目の案を練っていました。で、今回は、昔乗ってたワンボックスの車載ジャッキが家に転がってたので、これを使うことにしました。底面の四角い部分が130mm角で、最も縮んだ時の高さが190mmです。結構コンパクトなんですけど2トンまで耐えてくれます。手前に見える白い物体は21mmのソケットでジャッキを回すためのアダプタです。3Dプリンターで作りました。

サイドからネジで固定する予定でしたが、思った以上にジャストフィットで止めねじ無しで使えそうです。

このジャッキをベースとなる箱に入れます。固定はしません。置くだけです。箱の深さは250mmです。

上から覗いた図

箱の内法にピッタリサイズの四角い筒に天板を張り付けたパーツ(左側)を上から入れます。天板のサイズは250mmの正方形です。

こちらが一番低い状態です。セローの最低地上高と同じ280mmで設計したつもりだったのですが、ちょっとした手違いで288mmあります。

一番下げた状態

設計上の最高高さは400mmです。多分そこまで持ち上げなくても両輪とも浮くと思われましたが、余裕を持った値にしました。この状態で伸びた長さとほぼ同じ長さが内部で重なっています。
ロック機構はありません。2トン用のジャッキですので130kgでどうにかなるとは考えにくかったからです。それよりも微妙な高さに調整できることを優先しました。

400mmmまで上げた状態

材料はホームセンターで購入です。

2×4材1820mm-2本
コーススレッド
木工用ボンド
合板 厚さ12mm(家にあった残り物)

非常に単純な構造ですが、摺動部分のクリアランスが大切になると思われるので結構気を使って製作しました。見た目悪いですけど。


使ってみた感じ

一番下げた状態でエンジンの下に入れます。予定では、車両を垂直にして、ジャッキを横から入れるつもりでしたが、先述したように最低地上高より若干高くなってしまったので、素直に入りません。作戦変更で、フロントタイヤすぐ後ろに置いて、シート横のグラブバーでリヤサスを少し伸ばしながら前進させると楽に乗せることが出来ました。グラブバーの力を抜くと車重がジャッキにかかってこの状態で、安定してますので、中途半端に隙間があるより良かったかも知れません。後はソケットを回して必要な高さまで上げるのみです。

で、本来なら、ドリルドライバーにこんなソケットアダプターをつけてギュイーンと持ち上げるつもりだったのですが、手配が遅れたので今回は手回しです。意外と軽くて、ハンドルを使わなくても直接手でソケットを回して持ち上がりました。ソケットアダプターいらなかったかも。

後輪が少々浮いた状態です。まだ、前輪は浮いてません。この状態で天板上面の高さは340mmです。

両輪とも浮いた状態で天板の高さは360mmです。若干のぐらつきはありますが、問題なく作業できそうです。市販の金属製のスタンドがどの程度のぐらつきなのか気にはなりますけど。

降ろす時も引っ掛かること無くスムーズに降りてきます。一番下まで下げても自立してくれるので安心して降ろせます。
実際に上げ下げしてみたところ、天板の前後長がありすぎるようですので、短くする予定です。
また、アンダーガードを付けると厚さ次第ではちょっと載せにくくなるかも知れない事に気づいてしまいました。
木製ですので乾燥による収縮でどうなっていくのかも気になるところです。


あとがき

ミツバチの巣箱のようななんともかっこ悪い見た目ですが、まあまあ使えるものが出来た気がします。ホイールを外すときなど、浮かしすぎるとかえって作業性が悪くなりますが、絶妙な高さに調整できるので、なかなか使い勝手良さげです。特殊なジャッキを使ってのスタンドですのであまり参考にならなかったかも知れませんが、構造を吟味すればパンタグラフジャッキでも出来そうですので、興味のあるチャレンジャーの方はぜひ。

2021/3/31にセロー関係のこんな本が出たみたいです。

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