2021/04/06にCuraの新しいバージョン「4.9.0-beta」が公開されました。過去のバージョンのベータ版から正式版までの間隔がだいたい1ヶ月くらいですので、今回も近いうちに正式版がリリースされると思います。一足早くベータ版での主な変更点を見てみたいと思います。
2021/04/21:追記
4.9.0の正式版がリリースされました。
ベータ版からそんなに変更されてないようです。未翻訳だったところが翻訳されたのと、実験のMaximum Overhang Hole Areaが実装されなかったようです。(2021/10/29 修正。実装されていました)
2021/04/30:追記
4.8.0のプリント設定についての解説シリーズ記事を書いていましたが、4.9.0がリリースされましたので、そちらを中止して、4.9.0のプリント設定の解説として書き直すことにしました。
4.9.0についての情報はこちらからどうぞ。
2021/05/22:追記
4.9.1がリリースされました。
プロファイルの追加とバグフィックスのみで機能に変更はないようです。
カラースキームのデフォルト変更
プレビューの画面を開いたときに表示されるフィラメントの配色のデフォルトが「フィラメントの色」から「ラインタイプ」に変更されました。
一度変更したら次からはその配色で起動するので余り関係ないですけど、初めて使う人にはありがたいかも。私も最初は配色を変えられることすら知りませんでしたから。
ライン幅の違いを表現
カラースキームに新しいラインタイプ「Line Width」が追加されました。このあたりも正式版では日本語になるのですかね。
これにより、プレビューの画面で、プリント設定のライン幅の変更が配色で確認できます。
また、「マテリアル」のフロー関係の変更によってライン幅が変わる場合もちゃんと反応してくれるようです。
各層の印刷開始点の表示
ラインタイプの選択肢の中に新たに「Starts」という項目ができました。
チェックを入れると各層での印刷開始点が白いマークで表示されます。
今まで判りづらかったZシームに関する設定がどのように反映されているのかが明確にわかるようになりました。
小数点以下の表示、入力が可能に
使用されるフィラメントの量がより詳細になりました。
プリント設定の中にも小数点以下を入力できる項目が増えました。
スピード以外の所でも小数点以下を入力できるところが増えています。そんなに細かい設定が必要かどうかは微妙な気がしますけど。
プリント設定のカテゴリー変更
プリント設定の分類に見直しがあり、「外郭」が「Walls」と「Top/Bottom」に分割されました。
また、従来「インフィル」に存在していた、[表面除去幅]、[表面展開距離] に関する項目が「Top/Bottom」に移動しました。
「実験」に新たな設定項目
「実験」の [オーバーハング印刷可能] にチェックを入れたときに表示される項目がひとつ増えました。まだ、翻訳されていません。
実際に数字を設定してスライスしてみたのですが、機能していないような雰囲気です。まだ、実装されていないのでしょうか。気のせいかもしれません。間違ってたらごめんなさい。
後処理に新たなスクリプト
サムネイルをGコードに埋め込むスクリプトが追加されました。
こんなのがGコードに埋め込まれるんですけど、どうやって使うのですか?
プリンターの設定に新しいチェック項目
プリンターの設定ダイアログに、エクストルーダーに関するチェックボックスが追加されました。
プリンターのプロファイル追加
プリンターやマテリアルの定義が追加されたもようです。
- 3DFuel Pro PLA and SnapSupport materials, contributed by @grk3010.
- Cubincon Style NeoA31, contributed by HUNIBESTHyVISION.
- Eryone thinker series and Eryone ER20, contributed by @Eryone.
- Flashforge DreamerNX, contributed by @KeltE.
- Fused Form FF300, contributed by @FusedForm.
- Geeetech A10 improved start and end gcode, contributed by @TheTRCG.
- ideagen3D Sapphire and ideagen3D Sapphire Plus, contributed by @Firedrops.
- INAT Proton X printers, contributed by @MarkINAT.
- Koonovo, contributed by @KOONOVO3DPrinter.
- Liquid, contributed by @alexgrigoras.
- Lulzbot TAZ Pro and Lulzbot Mini 2, contributed by @spotrh.
- Maker Made 300x printer, contributed by @skilescm.
- MINGDA D2, contributed by @cataclism.
- Snapmaker 2.0, contributed by @maihde.
- Sri Vignan Technologies, contributed by @venkatkamesh.
- Syndaver AXI Machine, contributed by @synsuiter.
- Tinyboy Fabricator Mini 1.5, contributed by @reibuehl.
- Trimaker printers, contributed by @tomasbaldi.
- TwoTrees Bluer, contributed by @WashingtonJunior.
- Update Hellbot Magna 1 and Hellbot Magna dual, contributed by @DevelopmentHellbot.
- Update Rigid3D and added Rigid3D Mucit2, contributed by @mehmetsutas.
- ZAV series, contributed by @kimer2002.
バグフィックス
バグフィックスが50件ほどあるようです。詳細は省略します。ただ、私が使っているプリンター(Anycubic mega-s)に関する記述があったので、気になって見てみました。
Fixed material temperatures and fan speed for Anycubic i3 Mega.
ということらしいので、プリント設定の該当部分かなと思われるところを比較してみました。
あとがき
早足で変更点を見てみました。内容的には、4.8.1じゃなかろうか、といった感じですが、私の一番のお気に入りはZシームの確認ができるようになったことですかね。
どんどん新しくなるのは良いことです。開発に携わっている方々に感謝です。
コメント