Ultimaker Cura 4.12.0-beta版公開 一足先に新機能を体験

3Dプリンター

2021/10/22にCuraの最新バージョンのベータ版が公開されました。4.11.0が公開されたのが、9月7日でしたので、ベータ版とはいえ2ヶ月弱での新バージョンです。この短い期間でどんな新しい機能がお目見えしたのでしょうか。正式リリースの前に少しだけ覗いてみます。

新しいインフィルパターン「Lightning」登場

インフィルパターンに14種類目の選択肢が出来ました。まず、インフィル生成のイメージをどうぞ。

下層では、なるべくインフィルを少なくしながらも、トップスキンの印刷が近づくにしたがいインフィル密度が増してきて、しっかりと上層を支えることができますので、上部表面の印刷品質を落とすことなく、フィラメントの使用量と印刷時間を節約できそうです。
Lightningを選択すると、インフィルの生成を制御する新たなパラメータが4つほど表示されます。この角度が何処にどう影響するのかは、正式リリース後に詳しく見てみようと思います。

冒頭の動画のモデルを真上から見るとこんな感じです。トップスキンが近づくと密度が増す様子がわかります。インフィル密度は50%です。

10層目。ボトムスキン直上ではインフィルはわずか。
42層目。43層目に左下のL型部分のトップスキン1層目が印刷されます。
92層目。次の層にL型部分以外のトップスキンが印刷されます。右上のL型部分には、まだインフィルはまばら。
142層目。次の層に最後のトップスキンの1層目が印刷されます。

グリッドとLightningでどの程度の差があるのか試してみました。インフィル密度はどちらもデフォルトの25%です。Lightningの下部はスカスカで、底面からインフィルが積層されるのではなく、内壁から斜めに生えてきているのが確認できます。この角度などをパラメータで変えていくものと思われます。
下層のフィラメントの使用量が随分と少なく、強度が見込めないので、機械部品等ではなく、フィギュアなどに向いているんだと思います。

インフィルパターン:グリッド
インフィルパターン:Lightning

印刷時間も結構節約できるみたいです。以下はMega-sに付いてきたフクロウのサンプルモデルを元の縮尺(全高約100mm)で印刷した時の結果です。印刷時間とそれに占めるインフィル印刷時間の割合、フィラメント使用量などにLightning効果が見えます。

デフォルトのグリットでの結果。インフィルが25%も占めています。
Lightningでの結果。時間も材料もしっかり節約出来てます。

モデル上面の印刷品質向上

前回のバージョン4.11.0から新たに加わった[Monotonic]関連の微調整とプリントプロファイル全体の見直しで、上面の印刷品質が向上したらしいです。具体的に何処が変わったのかは現時点でわかりませんでした。

モデル水平面の印刷品質向上

こちらも何処がどう変わったのか掴めていません。リンギングが減少するらしいことが書いてありすので、なるべく振動させないような滑らかな動きを実現したのでしょうか。すみません。詳細はわからないです。とにかくきれいな印刷が出来るようです。

アプリケーションスイッチャーの新設

画面右上のマーケットプレイスの横に新しいスイッチャーが配置されました。色々なサービスにワンクリックでアクセスできるようになっています。以下にリンク先の画像を貼っておきます。

Ultimaker Marketplace

各種プラグインやフィラメントのプロファイルなどが置いてあるページです。

Ultimaker Academy

Ultimaker のe-learningのサイトです。Ultimaker Accountが必要で、まず、ログインの画面となります。これより先に進んだことがないので、詳細は?です。

Ultimaker support

Ultimakerのサポートサイトのトップにリンクされています。

Ask a question

Ultimakerのコミュニティサイトへのリンクです。英語が堪能な方はどうぞ。

Report a bug

バグの報告などが出来るようです。ただし、GitHubのアカウントが必要です。

Ultimaker.com

Ultimakerのトップサイトにリンクされています。

起動時間の短縮

Curaの起動時間が10秒程度短縮されたようです。試しに.4.11.0と比較してみました。パソコン起動後の最初の立ち上げと2回目以降で随分と時間が違いますので、両方測ってみました。

  • 4.11.0
    初回起動:34秒
    2回目以降:10秒
  • 4.12.0 beta
    初回起動:22秒
    2回目以降:12秒

初回に関しては、概ねウソではないようです。プロファイルデータのキャッシングを最適化した結果だそうです。私には何のことだか分かりませんけど。

その他の新機能

サインイン ダイアログのデザイン変更

どうでも良いことのような気がしますが、一応、新機能として紹介してあったので書いておきます。インストール後の最初の起動時に表示されるSign inのページ下部のデザインが変更されています。Skipする人を減らす目的でしょうか。策略にはまってアカウント登録を是非。

4.11.0
4.12.0-beta

変数の追加

Start G-codeなどで使える変数名が追加されました。{material_type}と{material_name}です。
この変数名を記入しておけば、gcodeファイルを後で見た時に何のフィラメントで印刷したのか判断できます。他に使い方が思い浮かばないのですが、何か画期的な使用法があるのですかね。

「プリンターの設定」のStart G-codeに変数を追加。
生成されたgcodeファイルに、スライス時に選択していたフィラメントが書き込まれます。

Update file name after saving

その他の新機能として紹介してある、この英文。これが何のことだかどうしても分かりませんでした。正式版のリリースまでにははっきりさせたいのですが。

Pause at Height に新オプション

メニューから「拡張子」>「後処理」>「G-codeを修正」で開いたダイアログにある”Pause at height”の項目で、Park Printのオプションが選択できるようになりました。残念ながら、私はこのPause at heightを使ったことがないので、これにどういった有り難みがあるのかは理解しておりません。

「スクリプトを加える」をクリックして、”Pause at height” を選択すると表示されます。

バグフィックス

いつものようにいくつかのバグフィックスがありました。オリジナルの英文を引用しておきます。

  • Fixed a bug when coming goes through skin on Top Surface Skin Layers
  • Fixed a bug in one-at-a-time mode to not wait for initial layer bed temperature if the temperature stays the same
  • Fixed a bug where there was double infill and gap filling
  • Fixed a bug with monotonic ironing that causes fan speed jump to 255 for ironing pass
  • Fixed an engine crash when using monotonic ordering with zigzag skin pattern
  • Fixed missing commas in disallowed list for code injections, contributed by @YuvalZilber
  • Fixed various typos, contributed by @luzpaz
  • Fixed FilamentChange Retract method
  • Fixed extra microsegments inserted from Wall Overlap Computation
  • Fixed inconsistent material name in the header and material selection dropdown
  • Fixed scaling model down after scaling it up with tool handles
  • Fixed single instance option when opening different files
  • Fixed duplicating and multiplying support blockers

プリンタプロファイルの追加

プリンターとマテリアルの定義が追加または変更されています。こちらも英文ですが引用しておきます。手持ちのプリンターが関係しているとテンション上がりますけど、みなさんのプリンターはいかがですか?

  • Added Creasee CS50S pro, Creasee Skywalker and Creasee Phoenix printer definitions, contributed by @ivovk9
  • Added Joyplace Cremaker M V1, M V2, S V1, contributed by @hyu7000
  • Added Hellbot printer definitions, contributed by @DevelopmentHellbot
  • Added Arjun Pro 300 printer definition, contributed by @venkatkamesh
  • Added AtomStack printer definitions, contributed by @zhpt
  • Added Weedo X40 printer definition, contributed by @x40-Community
  • Added 3DI D300 printer definition, contributed by @v27jain
  • Changed Crealiy Ender 5 Plus end g-code, contributed by @mothnox
  • Updated definitions and extruders of Hellbot Magna 2 230/300 dual, contributed by @DevelopmentHellbot
  • Updated Eryone Thinker printer profile, contributed by @Eryone
  • Updated FLSUN Super Racer profiles, contritubed by @Guilouz
  • Updated Mega S and X acceleration to firmware default, contributed by @NilsRo

で、今回は我がMega-sに少しだけ変更があったようです。プリント設定の「スピード」カテゴリにある加速度の値が、1800から1500に引き下げてあります。

4.11.0の加速度設定
4.12.0-betaの加速度設定

あとがき

4.12.0-betaの新しい機能を見てきました。モデル上面や水平面の印刷品質向上については、実際に印刷してその違いをお伝えできれば良いのですけど、今回はそこまで検証していません。明らかな違いが見て取れましたら、また報告してみたいと思います。また、Update file name after saving についても同様です。

2021/10/31 追記
Update file name after saving がどのようなアップデートなのか判明しました。また、コーミングモードに新しいオプションが追加されていました。こちらをどうぞ。

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