楽天モバイルが全国各地で始めたauローミング電波の停止。私が住んでいる市も例に漏れず4月中旬でau電波が途絶えてしまいました。自宅周辺は楽天電波のエリア内ではありますが、屋外だとかろうじてアンテナが立つ程度で、室内だと圏外になってしまいます。そこで導入したのがRakuten Casa。光回線によるWifi環境があるのにRakuten Casa を設置する理由とは。今回はRakuten Casaにまつわる話です。
Rakuten Casa とは
Rakuten Casaを一言で言えば「ちいさな4G基地局」です。自宅に設置することにより屋内を楽天回線エリアにすることが出来ます。図に書くとこんな感じです。

本来、エリア内であれば楽天の設置したアンテナからの電波を直接拾うわけですが、楽天電波の性質上室内などでは繋がらない場合があります。こんな時にRakuten Casaでは光回線を通じて室内に楽天電波を飛ばすことが出来ます。屋外の電波を増幅しているわけではありません。従って、光回線サービスとの契約が必須となってきます。
Wifi環境があっても出来ないこと
Rakuten Casaを接続するのに、光回線が必要であるということは、自宅にWifi環境が構築できることを意味すると思います。そうなると自宅ではWifiの電波に繋いでいるはずで、楽天電波が圏外であっても、データ通信はもとより、通話の発信、着信も出来てしまいますので、Rakuten Casaは必要ないということになってしまいます。では、なぜ私はRakuten Casaを導入したのでしょうか。それは、
「Wifi環境からの発信では電話番号を通知出来ない」
という現実があったためです。着信であれば相手がRakuten Link以外からかけてきても番号は通知されるのですが、発信では非通知になってしまうようなのです。
そう、私は電話番号を通知するという目的のためにRakuten Casaを導入しました。
導入までの流れ
現在、Rakuten Casaの仕様や申し込みに関する情報は楽天モバイルの公式サイトではリンクが張られていないようです。昔は製品とかエリアのページにRakuten Casaへのリンクがあった気がするのですが、今はサイト内検索でもその情報にたどり着けません。(外部の個人ブログなどからたどり着けますけど)
では、私がどのようにして申し込んだのかを時系列で書いておきます。
- auローミングが終了し、室内では圏外になっていることに気づく。(4/13)
- 楽天モバイルサイトの「楽天モバイルご利用者様用電波改善・調査依頼」から圏外になってしまった件を報告。(4/20)
- 次のようなメールを受信 (4/21)
- auローミングが終了した事による弊害であること。
- 電波改善まで楽天モバイル(ドコモ回線)を利用できる代用機の貸出を行っていること。
- 問題があるのは室内だけなので、Rakuten Casaで解決できないのかと質問。(4/21)
- Rakuten Casaの申し込みについてのメールを受信 (4/21)
- 次の2点を了承することで申し込みが出来る。
- Rakuten Casa申込用のURLを友人やSNSで拡散禁止
- ご契約者本人のみ申込可能
- 申込先URLをSMSで送るので電話番号を知らせること
- 次の2点を了承することで申し込みが出来る。
- 電話番号と了承することを伝達 (4/21)
- SMSで申し込みURLが届く (4/22)
- 申込完了 (4/22)
- 製品発送完了メール受信 (4/28)
- 製品到着 (4/30)
なかなかのスピード感で対応していただけ、とても好印象でした。
で、5. の申込用URLの拡散禁止ですが、これが公式サイトからリンクが消えた理由なのでしょうか。なぜ広めたくないのかは知る由もありません。拡散禁止はURLなので、こうやってブログに経緯を書くのはOKなのだろうと判断して書いています。
申し込み条件
Rakuten Casaの申し込み条件は以下のようになっています。申し込んでみたい方は参考にしてください。
- 楽天モバイル(楽天回線)を契約していること
- 楽天回線対応製品を使用していること
- 電波改善・調査依頼済みで、楽天モバイルからRakuten Casa設置の案内を受けていること
- 楽天モバイルが指定するインターネット回線が開通していること
- 楽天モバイル(楽天回線)に登録している住所にRakuten Casaを設置すること
- Rakuten Casaの設置規約および重要事項説明書にご同意すること
- 以下の住所が全て一致していること
- 現住所
- 楽天モバイル(楽天回線)に登録している住所
- インターネット回線設置住所(Casa設置予定住所)
楽天モバイルが指定するインターネット回線
上記条件にありますように光回線は楽天モバイルが指定するものに限られています。今日現在、以下の各社です。
- NTT東日本(フレッツ 光ネクスト(光コラボレーションモデル回線含む))
- NTT西日本(フレッツ 光ネクスト(光コラボレーションモデル回線含む))
- JCOM株式会社(J:COM NET)
- KDDI株式会社(auひかり)
- ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(NURO光)
- 中部テレコミュニケーション株式会社(コミュファ光)
光コラボは以下の事業者が対応していると明記してあります。
- 楽天ひかり
- ドコモ光
- SoftBank光
- ビッグローブ光
- OCN光
- ぷらら光
- So-net光プラス
接続するルーターの動作環境
Rakuten Casaを接続するルーターの機能にも注意が必要です。
上記各社で接続するときに求められる動作環境は以下の通りです。
- ルーターにVPN(IPSec IKE)パススルー機能が必要。
- ルーターのモード設定を「NATモード(ルーターモード)」にすること。
これらに加え、NTT東日本および西日本で接続する場合には次の環境も必要です。
- IPv6対応ルーターであること。
Rakuten Casaを設置する通信環境で、以下のサイトにアクセスして、そのサイトが表示された場合、利用しているルーターはIPv6対応ルーターと判断出来るようです。
NTT東日本(光コラボ含む)で接続する方
NTT西日本(光コラボ含む)で接続する方 - ルーターのIPv6ブリッジ機能を有効にすること。
接続方法
接続は簡単です。ルーターのLAN端子とRakuten CasaのWAN端子を接続して電源を入れるのみです。

接続状況は正面のインジケーターで確認できます。

以下のサイトに接続方法やインジケーターの詳細が記載されています。
導入のデメリット
導入にあたってどんなデメリットがあるのか見てみます。
気軽に導入できますが、立派な基地局ですので、電波法に基づいて運用する必要があります。設置契約者の住所氏名等が楽天モバイルから総務省に届けられますので、これを嫌う方もいらっしゃるかもしれません。禁止事項もいくつかあって例えば使わないときでも同意無しで長時間電波停止することはダメなようです。同梱されている重要事項説明書はしっかり読んでおく必要がありそうです。
次に気になるのが、近隣の人に電波を勝手に利用される可能性があることです。同時に接続できる台数は16台までのようです。自宅の光回線を利用されるのは気持ちの良いものではありませんし、僅かとはいえ帯域を圧迫されるのも嫌です。ちなみに今何台繋がっているのかを知るすべは無いようです。
続いて経済的な観点ですが、初期費用が3,000円掛かるものの期間限定ポイント(5ヶ月間)で還元され、利用料は無料ですので、経済的な負担は電気代のみとなります。消費電力は最大22Wです。月額いくら位になるのでしょう。気になる方は計算してみてください。なお、契約解除料はかかりませんが、契約終了後は速やかに本体を返却する必要があります。返さなかったら20,000円だそうです。
最後に、予想外のデメリットを。以外とでかいです。横幅が28.6cmもあります。結構邪魔です。
スペックは次の通りです。
サイズ:幅 28.6cm × 奥行き 7.0cm × 高さ 18.7cm
重量:1,200g以下
消費電力22W以下
最大同時接続数LTE:16台
最大同時接続数Wi-Fi:30台
Wi-Fi規格2.4GHz:11b/g/n
Wi-Fi規格5GHz:11a/n/ac
Wi-Fi最大通信速度送受信最大:5GHz 867Mbps / 2.4GHz 300Mbps
スペックを見て分かるようにRakuten CasaでもWifi環境を構築することが出来ます。こちらは実際に試していないので、省略させてください。
設置してみて(電波の強度など)
まず、目的は達成できたのかという点ですが、実はまだ試していません。ただ、まぁ、間違いないでしょう。もし非通知のままでしたら、また、こちらで報告します。
続いて電波強度ですが、Rakuten Casaを設置した部屋での電波はさすがに強力で、-70dBm程度もあります。2回の隅の部屋に移動しても-95dBm程度あります。屋外に出て自宅から20mほど離れると-115dBmに減衰して、本来の楽天電波に切り替わりました。隣の家の屋内窓際でどちらの電波に繋がるのか気になるところですが、気にしても仕方がありません。ご近所さんが楽天に契約していないことを祈りましょう。
回線の速度は、受信105.0Mbps、送信63.4Mbps でした。ちなみに同じルーターに有線接続したパソコンは受信580Mbps、送信230Mbps でした。
あとがき
さて今回はRakuten Casaを設置して室内を楽天回線電波でいっぱいにする話でした。番号通知でかけなければならない相手先がある場合は有効な手段だと思います。
極小自宅基地局であるRakuten Casaは電波問題を解決する一つの方法ですが、本来の基地局の整備とプラチナバンドの獲得が待たれるところです。料金では何処にも負けていないので、何処でも繋がる楽天モバイルを目指して欲しいと思います。
では、今日はここまでです。
コメント
Casaとはなんですか?企業名ですか?楽天とはどう言う関係ですか?
コメントありがとうございます。
Casaとは各家庭に引かれた光回線に接続して楽天モバイルの電波を飛ばす機器の名称です。
色々あって私は現在楽天モバイルとは契約していませんので、今でもCasaを新規で設置できるかどうかは分かりません。
楽天モバイルのページで検索するとある程度情報が出てくると思われます。
https://network.mobile.rakuten.co.jp/search/?q=Rakuten%20Casa&opt_ctg=