セロー250 タコメーターを表示 OBD2 のつづき

serow メンテナンス

前日の投稿でセロー250にスマホを繋いでタコメーターを表示してみました。この時に使ったアダプターの内部の結線がどうなっているのかとか、スキャンツールのお薦めが無いのはなぜかなど、もう少し踏み込んだ話しをしておきます。こんなことに興味のある人がいるかどうかわかりませんが、気になる人はお付き合いください。

結線はどうなってる?

前回の記事を読んでない方へ。今から話すのはセロー車体側のOBD用3極カプラーとスキャンツールを繋ぐアダプターの事です。

結線の話しをする前に、OBD2のピンアサインについてまず見ておきましょう。

PINDESCRIPTIONPINDESCRIPTION
1Vender Option9Vender Option
2J1850 Bus+10J1850 BUS
3Vender Option11Vender Option
4Chassis Ground12Vender Option
5Signal Ground13Vender Option
6CAN(J-2234)High14CAN(J-2234)Low
7K-Line ISO 9141-215ISO 9141-2 Low
8Vender Option16Battery Power

実際の端子の様子はこんな感じになってます。

16極のうち金属端子があるのはシャーシアースの4番、シグナルアースの5番、バッテリー電源の16番、CAN通信用の6番、14番、そしてK-Line通信用の7番です。

では16極の端子裏側と3極、4極カプラーを見てみましょう。

セローで使う3極カプラーの信号線であるグレーは7番端子に接続されています。すなわちk-line通信であり、スキャンツールはv1.5でないと繋がらないことになります。ちなみにアースの4番5番はブリッジされてます。

実はこのOBDアダプターを購入するときに少々悩んだことがありました。それはアダプターの自作です。手っ取り早く製品を買うか、部品を購入して製作を楽しむか。まあ結局製品を選んだんですけどね。
製作に興味のある方はアマゾンで「防水コネクタ 3極セット」とか「obd コネクタ」あたりで検索するとそれらしいのが出てきます。少量だと送料がかかりますが、auto-epartsにもあります。参考にしてください。

スキャンツールの闇

前回の記事でお薦めのスキャンツールは無いと書きましたが、そう思うようになったいきさつを書いておきます。

今までに私が買ったスキャンツールは次の3種類です。

zappaの二つはv1.5であることが明記されていたので選びました。kingを買うときには、v2.1が本当に繋がらないのか試したくてネットで検索してたところ、これがv2.1だったとの情報があったので購入してみました。残念ながら届いたものはv1.5でした。
zappaスイッチ付きのものは購入直後に落としてしまい、その衝撃で中から「カラカラ」という音がし始めましたので繋ぐのが怖くて廃棄しました。

残り二つを「ELM327 Identifier」というアンドロイドのアプリで、どのバージョンに対応してるかを調べた結果がこちらです。

zappa
king

画面、上の方に紫色の文字で<OBD>says:I’m an “ELM327 v1.5″と表示されてます。ところが検査対象にv1.5がありません。不思議に思って調べてみたら、wikiのELM327のページにv1.5は作られていませんと書いてあります。本家のELM327チップにはv1.5は存在しないようなのです。
では、どんなチップが入っているか気になったので分解しました。それがこちら。

1枚基板で片面実装。表面削ってあるチップが。
こちらは2枚基板で裏側にPIC発見

kingの方はCAN用の中国製チップとチップの上面が読めなく処理されている不明なものが、zappaの方はPIC18F25K80が載ってました。PICマイコンで動いてるようです。ELM327の値段も気になって調べてみたのですが、現在最新のv2.3だと1000個以上まとめて買っても1個あたり15ドルもします。PICだと個人が1個買っても200円くらい。そりゃPIC使いますよね。
1000円台で買えるスキャンツールに本物のチップはあり得ないのでしょうかね。というのが私としての結論で、お薦めのスキャンツールがない理由です。
それと、も一つ懸念事項が。技適マークがありません。日本で使えば違法なのでしょう。ご利用はご自身の責任で。

あとがき

2回にわたってOBDのことを書いてきましたが、正直微妙ですかね。車両の状態を知ることが出来るのは大変面白いのですが、スキャンツールの信頼性がいまいちなので、なんだか車両のECUが破壊されそうで怖いです。少々高くても良いから本物のELM327を搭載しているものが欲しいですね。
最後までお付き合いありがとうございました。

では、また次の機会に。

コメント

  1. 7743 より:

    ELM本家のELM327も中身はPIC18F25K80ですよ。その本家は2022/06月までに廃業です。なので、今のうちに本家のELM327を買って移植するという手を使えば「本物のELM327(しかもVer.2.3)」です(もっと言っちゃうとVer.1.5と書いてあるのはすべて偽物です)。

    本家以外で金に糸目をつけないならOBDsolutionのOBDlink MC+/LXをおススメします。Ver2.2までのOBD327コマンドを全部サポートしている上に独自のコマンドも用意、転送速度も速くて、「技適通している」ので日本でも大手を振って使えます。

    • rimo rimo より:

      コメントありがとうございます。
      管理人のrimoです。

      ご指摘ありがとうございます。勉強になります。
      前々からまともなアダプターが欲しかったのですが、
      一体どれがまともな物なのか判断が出来ずにいました。
      今日現在、アマゾンでは正規品が在庫切れのようですので、
      出回ったらチャレンジしようと思います。
      情報ありがとうございました。

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